ANIMA MYSTICA BBS 過去LOG(2004年02月11日~2019年07月22日) - Part 80


□ Re[927]:Re[926]:Re[925]:仙の字
□投稿者:AIN
□投稿日:2016/02/22(Mon) 23:45:29
□記事No. 928

>ちなみに、「歴史と旅」に書かれているのは、誰がどのような主題で、
>どんな文脈で述べているのでしょうか?

「歴史と旅」に載っていたのは、綿谷 雪氏という方の「仙人への道」
という記事で、「不老長寿を得る仙術の古来の修行法を解き明かす」と
いう主題で書かれたものですね。

書かれている文章の方は「仙術というのは、インドのバラモンに発する
一種の超越意識的神秘思想(オッカルティズム)で、仙とは、梵語の
翻訳では、”不老長生”という意味です」になります。

>インドのリシ(聖仙)を仙人と訳したのは、当時既に中国に神仙思想が

何かの本で、インドのリシは林で修行をするのに対して、中国は
山に入って修行をするので、あの字が出来たという話を読んだ事が
あるので、意味合い的にリシの辺りから来ていたかと思っていましたが、
そうなると、本当は違う由来があるのでしょうかね。


□ Re[928]:Re[927]:Re[926]:Re[925]:仙の字
□投稿者:平沢
□投稿日:2016/02/23(Tue) 22:26:36
□記事No. 929

日本武道研究家の綿谷雪さんですか。仙道・仙人については専門外ですね。なぜこんな文章を書いたんでしょうか。
日本武道の世界は、流派の権威付けのために歴史を偽ることが日常茶飯事なので、信憑性には問題が多いです。例えば、大東流とか。
他にも空手の世界では、つい数十年前には中国武術は文革で滅んだと発言してましたし。松田さんが中国武術を積極的に紹介しなければ、覆らなかったかもしれません。

「仙」という文字が、どのようにして出来たのか、大形徹の「不老不死-仙人の誕生と神仙術」講談社現代新書で、色々研究されていますが、はっきりとは分からないようです。
後漢の字書「釈名」に、「仙は遷である。遷(うつ)って山に入る。だから字をつくるのに、人のよこに山とした。」と、仙の字がもとは遷であった説明としていますが、
大形さんは、遷が遷(うつ)ると仮にしても、それが山にうつるのだということは、この字形からは説明できない、として、これは単にその当時の「仙人が山にうつりすむ」というイメージをもとに字義を解釈したものに過ぎないとしています。

実は、コトバンクの仙道の用語解説にも、仙はサンスクリット由来と掲載されていて、ほとんど同じ文章なので、こちらのサイトから無断引用されていると思われます。
https://kotobank.jp/word/%E4%BB%99%E9%81%93-550804


□ Re[929]:Re[928]:Re[927]:Re[926]:Re[925]:仙の字
□投稿者:AIN
□投稿日:2016/02/24(Wed) 06:53:03
□記事No. 930

>日本武道研究家の綿谷雪さんですか。仙道・仙人については専門外ですね。
>なぜこんな文章を書いたんでしょうか。

綿谷雪氏は仙術についての、こういった本↓
ttp://hanmyouken.net/?pid=67946293
を書かれていたり、「歴史と旅」の記事の中で「私の師匠の素抱子仙人は、
いつもこう言っていました」と書いたりしているので、仙術については
全くの門外漢という訳では無さそうですね。

また、記事の内容自体も、「健康管理の修行が基本」を主旨として、
「仙術の入り口はごく平凡なやり方であって、それを長く持続して
ゆく根気が必要です。」といった、いたって真面目な内容を書いています。

よって、
>流派の権威付けのために歴史を偽ること
といった事が目的で記事を書いた、とまで言えるかは疑問ですが、
ただ、いずれにせよ「仙」の梵語の翻訳については手元の記事には
参考文献や典拠が示されてないので、これ以上、確認のしようが無いですね。
HPの該当の箇所も今度の更新の際に、不確実内容として、その辺を直して
おきましょう。

>実は、コトバンクの仙道の用語解説にも、

おぉっ、本当ですね(^^;。もちろん、自分は何も聞いていません(苦笑)。
まぁ、出典を見ると別のサイト様になっているので、とりあえず、
こちらからアクションを起こす事は無いでしょう。

>「仙」という文字が、どのようにして出来たのか、
>大形徹の「不老不死-仙人の誕生と神仙術」講談社現代新書で、
>色々研究されていますが、はっきりとは分からないようです。

「不老不死」では、白川説として「僊」を逆に「死ぬ」とする解釈も
紹介したりしてましたね。「仙(xian)」について英語のwikiを見ると、
https://en.wikipedia.org/wiki/Xian_%28Taoism%29
まだ語源的には不明確とされているみたいです。

「僊」の飛翔する。「遷」の「うつる」。また、仙の別の字形に「仚」というのも
あったり、全然別の仮説もあるみたいですね。以下、上記wikiより引用
Two linguistic hypotheses for the etymology of xian involve the Arabic language
and Sino-Tibetan languages. Wu and Davis (1935:224) suggested the source was
jinn, or jinni “genie” (from Arabic جني jinnī). “The marvelous powers of the
Hsien are so like those of the jinni of the Arabian Nights that one wonders
whether the Arabic word, jinn, may not be derived from the Chinese Hsien.”
Axel Schuessler’s etymological dictionary (2007:527) suggests a Sino-Tibetan
connection between xiān (Old Chinese *san or *sen) “‘An immortal’ … men and
women who attain supernatural abilities; after death they become immortals
and deities who can fly through the air” and Tibetan gšen < g-syen “shaman,
one who has supernatural abilities, incl[uding] travel through the air”.


□ Re[930]:Re[929]:Re[928]:Re[927]:Re[926]:Re[925]:仙の字
□投稿者:平沢
□投稿日:2016/02/25(Thu) 18:56:27
□記事No. 931

>「僊」の飛翔する。「遷」の「うつる」。また、仙の別の字形に「仚」というのも
>あったり、全然別の仮説もあるみたいですね。以下、上記wikiより引用

アラビアのジンですか。たぶん日本では全く知られていない説もあるんですね。

ttp://yell-systems.com/wordpress/?p=425
>漢代の中国では新しく伝来した仏教を中国神仙思想の一つとして受容したと推定される
>(仏教初伝について)楚王英の時代は、仏教は中国古来の神仙思想として理解され、その一種として現生利益を求める宗教として信奉されていたとされる。
>仏教伝来の初期では、神仙思想や老荘思想の用語で仏教の経典を漢訳していたところがあるとされる

中国仏教史を調べてみると、仏教伝来の初期には、仏教を外来の神仙思想として受容したそうです。

>土着のコンテキストに無い概念の受容では、テキストを受ける側は、自らの土着の言語構造と文化のコンテキストにそって、
>その範囲内で、それを理解しようとする

仏教という異質の思想を理解するためには、既に存在していた思想に近いものがなければならないとして、老荘思想や神仙思想の用語で仏典の漢訳を行ったようです。

>いずれにせよ「仙」の梵語の翻訳については手元の記事には
>参考文献や典拠が示されてないので、これ以上、確認のしようが無いですね。
>HPの該当の箇所も今度の更新の際に、不確実内容として、その辺を直して
>おきましょう。

そうですね。

「仙」の語の由来については、もう少し調べてみようと思います。色々とありがとうございました。


□ Re[931]:Re[930]:Re[929]:Re[928]:Re[927]:Re[926]:Re[925]:仙の字
□投稿者:AIN
□投稿日:2016/02/27(Sat) 01:15:39
□記事No. 932

>そうですね。
>「仙」の語の由来については、もう少し調べてみようと思います。
>色々とありがとうございました。

こちらこそ、色々と啓蒙されるところも多く、面白かったです。
「仙」の字の調査で大きな進展がありましたら、また、教えてください(笑)


□ クロウリー伝
□投稿者:えるえる
□投稿日:2016/10/09(Sun) 07:06:17
□記事No. 933

はじめまして!
クロウリーに興味を持っていたので、面白かったです!
出来れば、今度はクロウリーの
ダークな魔術についても詳細に特集を
組んでほしいです!


□ Re[933]:クロウリー伝
□投稿者:AIN
□投稿日:2016/10/12(Wed) 17:48:40
□記事No. 934

えるえるさん
< はじめまして(^^)。
  クロウリー伝、お楽しみいただけたようで嬉しいです。
  クロウリーのダークな面ですか?。実は自分も好きですが(笑)、
  そのままHPに書くと、皆様から白い眼で見られそうなので(苦笑)、
  ゆるゆるとでもHPにUPしていこうと思っております♪。


□ No Title
□投稿者:scio
□投稿日:2016/11/10(Thu) 18:23:39
□記事No. 935

投稿いつも読ませてもらってます。

混沌魔術について質問なのですが、少し前小耳にクトゥルフ神話の体系を使って
混沌魔術を行ってる人たちがいると挟んだのですが
そこに関して知ってる限り教えてもらえないでしょうか?

そうでないとしても日本で混沌魔術の話題に聡い
メールで連絡のつく識者の方を教えていただくのでも構いませんので
ご回答お願いいたします。


□ Re:935
□投稿者:AIN
□投稿日:2016/11/13(Sun) 20:13:39
□記事No. 936

scioさん
< いつもお読みいただきありがとうございます(^^)。

  海外の魔術系サイトを見ると、クトゥルフ神話のキャラを
  使って魔術を構築・探求している人達は、色々いらっしゃる
  みたいですね。有名どころだと、Esoteric Order of Dagon
  という団体(?)や、Chaosmatrixなどのサイトにも色々
  資料があります。

  ただ、基本的には「クトゥルフ神話のキャラや設定を
  使って儀式を構築してみました」というものが多く、実際に
  クトゥルフやハスター、ナイアルラトテップを召喚
  出来て、怪異現象が起こったとかの体験を、客観的な証拠を
  揃えて報告されているという方は見たことがありません。
  ・・・まぁ、あっても怖いですが(苦笑)。
  (クー子やハス太やニャル子なら、どうにかして
   召喚してみたいかも?(笑))。
  
  残念ながら私が紹介できる日本の混沌魔術師の知り合いは
  無いのですが、もし、海外のサイトでも良いのでしたら、
  googleで「cthulhu magick」で調べると、色々ヒットしますよ。



上位ページに戻る