【2020.04.25】ハイエロファント・ワンドの3DCGアップと魔術道具の現実的な有効性についての小論考

ハイエロファント(クラウン)・ワンドの3DCGのデータが出来たのでアップです。「ハイエロファント」は、「秘儀司祭」を意味し、ポータル位階に照応します。


 

こういった魔術に使うとされる道具を紹介していると、そもそもそれって何の役に立つのか?といったような疑問が、提唱される事もあると思います。昔、そういった書き込みをネットで見たりしましたし、実際、自分も考えたりした事があります(笑)。これについては、色々考え方は出来るんですけど、身も蓋もない事を言ってしまえば、こういう事をするのって結局は一つの趣味だから役に立たなくても良いじゃん。あるいは、それを研究すること自体が面白いんだよ、役に立つ立たないの問題ではないんだよ、との意見をこれも昔、ネットなどで読んだこともあります。

ただ、自分はこういった秘教体系、あるいは神秘行を学ぶ動機として「現実生活に役に立つ」ということが大事だと思っているんで、そういった身も蓋もない考え方は(否定はしないにしても)どうかな?と思う方です。なので、良い機会ですし、自分が現在、考えてる事も下に書いてみますね。まぁ、ある意味、これもこじつけにしか過ぎないものかもしれないですが。

 


 

まず、人間の意識の奥底には人間という存在が共通して持っている、人生で出会う色々な種類の事柄を指し示す、エネルギーの源泉、型、諸力というものが潜んでいるとする考え方を知っておいてください。ユング心理学を知っている人なら「元型」を思い浮かべるかもしれませんね。

西洋の秘教伝統では、よく、それを幾つかのシンボル・シリーズに当てはめることをします。有名なところだと、七惑星があるでしょう。例えば、金星だったら人生における恋愛事。火星だったら戦い事といった感じです。また、位相は違いますが、「生命の樹」の各セフィラも似たような考え方ができます。

次に、西洋の秘教伝統では、よく「達人」になるという事を目指すとされます。この達人という言葉は、色々捉え方はできますが、魔術を能くするにしても、結局は「人生の達人」になることを一番の理想形とする考え方もできると思います。では、さらに考えを進めて、そういった意味での人生の達人とはどんなものかというと、これもまた人それぞれの考え方が出るでしょうが、自分的には人生で出会う様々な事柄、イベントをいち早く察知し、意味を理解し、それに振り回されること無く、自分の意志の下に制御出来るようになった人物を達人だと思っています。

ここで、さきほど書いたシンボル・シリーズが意味を持ってきます。西洋の秘教伝統では、こういったシンボルについてよく瞑想すれば、そのシンボルにまつわる意識の奥底で眠っていた人生に関わる諸力が活性化してくるとします。活性化してきた力について更に色々と扱っていけば、それらの意味や捉え方が意識の内で理解できる。そうしていけば、現実生活で出会う事柄にも振り回される事なく制御できるようになっていくとするのです。

ちなみに、逆に未熟な人は、これらの諸力が眠ったままなので、そういった人生に関わる事柄が理解できない。なので、人生で何故そんな事が起きるのかが理解できずに、人生での色々な事に振り回されてしまうと考えたりします。

 


 

最近、アップしている魔術道具は、その象徴的意味の由来として「生命の樹」を持っています。例えば、今回のハイエロファント・ワンドだったら、一番上の王冠とリングは「ケテル」を意味し、その下の棒の部分は中央の柱の各小径、途中のリングはダース、ティファレト、イェソド、そして一番下の球体はマルクトを意味するとします。また、この間、アップしたキャンセラリウス・ワンドだったら、一番上の六芒星はティファレトを意味し、その下のリングまでの棒はサメク、リングがイェソド、その下の棒はタウ、最後の球体がマルクトを示すとしているのです。

それらを踏まえて、自分としては、これらのワンドについて瞑想したり魔術で使用したりすれば、意識の中の諸力が活性化して、そういった意味で人生に役に立つと考えているのです。

 


 

・・・もちろん、こんな事を書いている自分自身については、人生の達人なんてのには程遠いと思っていますが(笑)

 

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公開日時:2020年04月25日 01時59分50秒
最終更新日時:2021年05月02日 20時15分18秒

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