仙道修行記-感気

仙道を始めようと思う場合、まずは「手で”気”を感じる事からになる」と、本には書いてあります。

手を擦り合わせる

この”気”を感じるためには、手を思いっきりこすり合わせて、向かい合わせの形にします。そしてうまく気を感じられれば、手に熱感やふわふわした感じ、反発するような感じ、静電気みたいな感じが理解できるとの事でした。

そこで私は本に書かれてあるとおり、手の皮がヒリヒリして痛くなるくらいこすり合わせ、それから手を離して向かい合わせ、何かを包み込んでいるような形にしたのです。しかし、残念ながらそれでは「気」なんてものは解りませんでした。

確かに、手をこすり合わせたのですから「熱」は感じます。でも、少し手を離すと互いの熱感なんてものは解らなくなるし、そしたら、その熱感もそこでおしまい。それに、その時は手で発生している熱なんてのは、「手をこすったのだから、熱は発生して当たり前。そんなのは”気”では無いだろう」と思い込み、気を感じているのだとは思っていませんでした。

おかしいなぁ・・と、思いながら手の位置を変えたりもしてみるのですが、やはり気の感覚なんて解りません。また、本には気を感じているのを理解する為の別の方法として、向かい合わせた手の間を手刀で切ってもらう方法というものが書いてあります。

そこで自分も家族に手伝ってもらって、その方法を試してみますが、やはり本に載っているような手と手の間を切られるような感覚というものは全然感じられません。この時点で、私は気は自分には感じられないのか?、それともこの行法は嘘なのか?とも思ってしまったのでした。

手や肩の力を抜く

いきなり修行はそこで止まってしまい、しばらく悩む事になります。しかし、自分的に今まで他の神秘行をやってきた経験で、こういうときは初心に立ち戻って、本を読み直すのが良いとの教訓を得ています。今回もそれに従って、改めていろいろと本を読み返していると、気を感じるときは手や肩の力を抜かなければいけない、という事が書かれていることに気づき直しました。

そういえば、私は気を感じようと思うとき、いろいろな漫画の影響で、かなり手や肩に力を入れていたのです。そこで、その反省を踏まえて再度挑戦。今度も、まず思いっきり手をこすり合わせ、その後、手を向かい合わせます。そして今度は手の力を抜き、それと同時に肩の力も抜いて、こころもち腕から手にかけて全体をリラックスさせるようにしました。そして、手の間に意識を集中したのです。

すると前と同じように熱も感じますが、今度はそれと同時にふわーっとしたような軽い圧力感みたいな、一種独特な感覚を手の間に得る事に成功したのです。この感覚は肩や手をリラックスしたり緊張させたりすると、それに連動してるように手の間にふわふわっとした感じが出たり消えたりします。

私はそれを経験して「ほぉっ!」と思いながら、嬉しくなり何回も繰り返し、その感じについて調べてみました。その結果、この感覚は手をこすり合わせて熱は発生させなければいけないのですが、その感覚を自分的により強く感じるのはその後、手の熱が少し冷えた頃というのが解りました。

また、手をこすり合わせるとヒリヒリして手の感覚が少し麻痺しますが、その後、その麻痺が解けて手の感覚が戻ってくるときの方が、より強く感じるのです。

気の感覚を試してみる

これが、気なのかな?と思いながらその感覚をよく覚えて、次に確認のために再度、家族に頼み込み、向かい合わせた手の間を手刀でゆっくり切ってもらいます。今度は、先ほど手の間に感じた、ほわーっとしたような感じを意識して再現しながら行いました。

すると、確かに家族が手の間を切る動作をすると、それに連動して何か切られたような動いたような感じが手の間にするのです。しかも、この感じは手刀が動いてから、少し間をおいて手に感じるところなど、本に書かれて有るとおりの感じ方でした。そこで私は、これは気の感じなんだ、と確信出来たのです。

いきなりつまずきながらも、何とか手に気を感じる最初の段階が出来たので、次からは、その気の感じを強化する段階に移ります。


次へ
カテゴリTOPに戻る