ユングの来歴とユング心理学の概略

ユングの来歴

Carl Gustav Jung(カール・グスタフ・ユング)は1875年スイスにある、霊的雰囲気の強い土地性を持つボーデン湖畔に生まれました。彼は幼い頃から、自らの心の内面や精神世界・霊的世界についての特別な関心を抱き、長じるにつれてゲーテやニーチェなどの哲学的な著作に没頭。そして、自らの進む道として人間の心(魂)を扱う精神医学(心理学)の研究を選ぶ事になります。

チューリヒ大学の病院に勤めはじめた彼は1903年にエンマと結婚。1907年頃に、精神分析学の先駆者であったフロイトを知ることとなります。フロイトの論に感銘を受けたユングはフロイトと親交を結び、その才能を持って、一時はフロイトの後継者と目されるまでにいたります。

しかしフロイトの理論だけに終わらず、彼独自の心理学の理論を発展させたユングは、その結果フロイトと決別する事になりました。そして、以降は彼自身の理論で人間の心の分析を続け、多数の著作や研究結果を残し、1961年死去します。

ユングの心理学理論

ユングの心理学理論は幾つかの大きな特色を持っています。まず、第一に人間の心には2つの傾向や4つの機能があるとした事。次に人間の無意識の奥には人類が共通として持っている「集合的無意識」という領域があるとしました。そして、人間の意識には「元型」と呼ぶ、いくつもの特定の型があると提唱しています。

これらの型には現在、「ペルソナ」や「シャドウ」「アニマ」「アニムス」「トリックスター」「グレートマザー」「ワイスマン」という名で知られているものがあります。また人間はその心の奥に「自己(セルフ)」という中心を持ち、人間が人間らしく生きるためには、その自己を見つける自己実現が必要であるとしました。そして、これらの理論はユングの心理学として現在、様々なところで研究されています。


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