邪眼<西洋神秘伝統、GD系伝統魔術用語集>
(Evil eye)
邪視、魔眼とも呼ばれる。世界各地に古代より伝わる有名な呪(のろ)いの一種である。憎しみや嫉妬、怒りなどの負の感情や思いを持って対象者に視線を向ける、あるいはそれに付随して何らかの呪術的行為を行う事により、対象者に不幸や病気、死までも起こす方法とされる。
基本的には対象者と視線を合わす事により、呪いがかかるものであるとされるが、中には対象者を見るだけで呪いをかける事も出来るとされた。また、特別な能力を持たない一般人でも悪意を持って視線を合わすだけで、この呪いがかかってしまうと考えられる事もあったり、逆に特に悪意を持たなくとも、何気なく見ただけで、この邪眼の呪いをかけてしまう人もいると考えられ、迷信深い人々の間でとても恐れられた呪いである。
秘教学では、人体の中でも「眼」は特に強いエネルギーが発され、また逆に外界の影響を特に受けいれやすい箇所だとする説がある。術者が特殊な意識状態で強い情動の力を持って対象者と眼を交わす事により、相手の意識の中にまで影響を及ぼす事が出来るとも考えられているのだ。この「眼を合わす」という行為の呪術的意味合いは昔からよく知られ、メデューサやバジリスクなど、様々な神話のキャラクターでその寓話が語られている。
この呪いから身を守るため、様々な邪眼避けの護符や方法が考えだされてきた。特異な眼を描いた護符や生命力を意味する護符を携帯したり、呪術的ジェスチャーによる方法などがある。有名なところでは古代エジプトの「ホルスの眼」の護符や「マノ・フィコ」などのジェスチャーを邪眼避けとして用いた事が知られている。
上位ページに戻る