秘密の首領<西洋神秘伝統、GD系伝統魔術用語集>

(Secret Chief)


この言葉については、次の幾つかの考え方がある。

1 秘教伝統界では一般的に、人間を導く霊的に高度に進化した存在を言う。有名なところでは、ブラバッキーを教え導いたとされるマハトマや、秘密の理想郷シャンバラから世界に現れ人間を教え導く導師達など、世界のあちらこちらに様々な似たような存在が伝わっている。
2 GD伝統では、GD団の創立から、この秘密の首領が関わってくることになる。GD団の三首領の一人であり、実質的にGD団の設立者であるウェストコットがGD団の設立の許可を受けたのは、アンナ・シュプレンゲルという人物であり秘密の首領だったとされている(現在の研究では、この人物はウェストコットが捏造した架空の存在の確率が高いとされている)。その後、同じく三首領の一人であるメイザースも、この秘密の首領から指示を受け、GD団の達人達で構成された実践的な団体を作り上げたとされている。しかし、その後も様々なもの達が独自に秘密の首領と接触したと宣言し分派を作り上げた事により、GDの伝統には大きな混乱が起きたといえよう。
3 上記からも理解できるように、秘密の首領から教えを受けながら、自らを高めようとする学徒は、この秘教伝統界には多いといえよう。それ自体は昔からある事であり、特に非難されることでは無い。実際に、そこから貴重な霊的教義を授かっているもの達も存在するといえよう。しかし、一般の学徒にとってよく認識しておくべき事がある。それは、こういった霊的存在の権威を受けて他者を非難したり、何かを強制しようとしたりする人物には近づかないようにするべきであるという事なのだ。


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