バフォメット<西洋神秘伝統、GD系伝統魔術用語集>

(Baphomet)

画像はエリファス・レヴィによるバフォメット画像

黒山羊の頭に両性具有の人間の体を持つ悪魔としてイメージされる存在。十字軍の頃から、この存在が知られるようになった。また、テンプル騎士団が、この偶像を祀っていたともされている。それらの経緯からも、バフォメットの語原は、イスラム教の教祖マホメットが歪められた言葉であるという説が有力とされている。

キリスト教ではこの言葉は悪魔を指す事が多いが、それは敵対する宗教を汚すために用いられたものだともされているのだ。

バフォメットというと、上記のエリファス・レヴィによる画像を思い浮かべる人も多いだろう。上図はよく、その姿から黒魔術的な図像として用いられる事が多い。しかし、レヴィ自身は「高等魔術の教理と祭儀(祭儀篇) 生田耕作 訳」で、この図像を「「絶対的なもの」の汎神論的・魔術的画像。−中略−。人間と同じかたちをした手は、勤労の神聖性を示すもので、魔術修行者に奥義獲得を奨めるために、上と下とで秘教の印を結んでいる。そして善と悪、慈悲と裁きのつながりを示すために、上方に見られる一つは白い、下方に見られるこちらの方は黒い、二つの三日月形を指差している。−中略−。額には、角と角の間、松明の上部に、先端を上に向けた「小宇宙」、すなわち「五芒星」の記号、人間の知性の象徴が見えるが、これはこのように松明の下に置かれることによって、この炎を神の啓示の姿に仕立てている」などとして、黒と白を超越した存在として説明をしている。


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