聖守護天使<西洋神秘伝統、GD系伝統魔術用語集>

(Holy Guardian Angel)


主よりつかわされ、何らかの個人や団体を守護し導く「守護天使」という存在の考え方は、旧約聖書の頃よりあった。また、後の時代においては、人間一人一人を邪悪から見守るために、生まれたときから死ぬときまでずっと側にいる天使が存在するとも考えられ、このような存在については16世紀のディーと天使の会話でも言及されている。

しかし、現在、秘教伝統界でよく知られている「聖守護天使(Holy Guardian Angel:略してHGA)」という言葉が公に認識されるようになったのは、GDの創立者の一人であるメイザースが翻訳出版した「術士アブラメリンの聖なる魔術の書」にて使用されたところからであろう。そして、それを広く知らしめたのはクロウリーの活動によるところが大きい。

ただ、クロウリー自身も年齢を重ねるにつれ、この存在に対する定義は変わっていった模様である。初期においては、HGAについてはGD団の教義に倣い”高次の天才”と呼ばれる、人間の高次意識や、精神の中の神性を秘めた存在を示すとしていた。しかし、晩年には、この聖守護天使について、当人とは違う別個の一つの霊的存在と考えていたようだ。


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