喚起<西洋神秘伝統、GD系伝統魔術用語集>

(Evocation)


この言葉については、次の幾つかの考え方がある。
1 霊的存在を呼び出す術式全般を指して言われる言葉。
2 上記の呼び出す対象を、術者よりも霊的に劣った存在に限定した術式を指す言葉。この場合は対になる言葉として「召喚(Invocation)」があり、これは逆に術者よりも霊的に優れた存在を呼び出すときに使われる術式を指す。
3 「剣の業(わざ)」を指す言葉として呼ばれることもある。剣の業とは、霊的存在を呼び出す方法の種類の一つである。この場合、術者は魔法円の中に入り、その外側に三角形を配置。何らかの方法により、霊的存在を三角形の中に呼び出すのであるが、この状態では、術者と霊的存在は切り離された状態になり、さらに魔術剣などの武器により命令を下す事が多いので、この方法は「剣の業(わざ)」と呼ばれる。剣の業と対になって使われるものとして「杯(さかずき)の業」と呼ばれる方法もあり、そちらは魔法円の中の術者自身を杯と見立て、そこに水を注ぐように術者自身の意識内に霊的に優れた存在を呼びおろす方法として知られる。一般的には、剣の業の対象は精霊や悪魔、杯の業は天使や神々を呼ぶ際に使われるが、術者によっては逆の方法を使うこともある。
4 朝松氏によると、日本ではじめて「Invocation」と「Evocation」の訳語を、「召喚」及び「喚起」として出版物に使用したのは、国書の世界魔法大全シリーズだとされる。


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