オカルト入門<IMN的魔術学習参考邦書解説>

(How to Develop Clairvoyance & How to Develop Psychometry & How to Read the Aura)

バトラーのHow toもの3冊の邦訳。神秘行においては、人間が得る事の出来る超能力の種類は大別すると、2種類に分けることが出来るとされる。一つが”能動的超能力”。外界の物質に影響を与える事ができるもの、いわゆる、念力やサイコキネシスとされるものだ。しかし、西欧の神秘伝統行では、実はこれはほとんど重視されない。その能力を発揮できた実例が(トリックなどを除いていくと)ほとんど皆無であり、また、実際に出来得るものかもしれないとしても、それを開発する事は生来の能力に寄るものであり、とても困難であるものとされているのだ。

こういった能動的超能力にたいして、もう一つの超能力の種類とされるのが”受動的超能力”。いわゆる、クレアボヤンスやサイコメトリーあるいは感気の技法といわれるものである。神秘行の学習をしたものならば、この世界は、ある”微細なるもの(オーラや気などとも呼ばれるもの)”によって形作られているという概念を聞いた事があるだろう。実は、この微細なるものには、この世界に関する様々な情報が含まれているのだ。そして、人間は潜在意識の層にて、常にこの微細なるものから様々な膨大な情報を受け取っている。しかし、それらのうち、人間の意識に認識されるものは、ごく僅かなものだけなのである。

しかし、ある種の実践学習を経たものは、この微細なるものに含まれる様々な情報を、それらを感じている潜在意識層から人間の意識上へ拾い上げる事が出来るようになる。これは、人間ならば誰しもが少なからず持っている能力であり、訓練次第で、かなりその能力を伸ばすことが出来るものなのだ。この本、「オカルト入門」で一貫して追求されているのは、その微細なるものを見る「魂の眼」を作る方法であるといえよう。

この本では、そのために、心の潜在意識にたくわえられた情報や、そこで感知された情報を顕在意識に伝えるための技術などが詳細に書かれている。内容の方は、透視力を身につけるための透視力の定義、訓練技術、サイコメトリを行うための基礎的知識、初歩的訓練、オーラを読むためのオーラの定義や知識、方法などから成り立っている。

この本はとても有用な本であるが、既に絶版で入手困難なのが難点である。この本と似通った内容で、もう少し入手しやすい本を挙げるとすれば、高藤氏の「スーパービジョン」のオーラを読む方法が参考になるであろう。実際、高藤氏の行法はバトラーの本に影響を受けていると思われるところが見られるのだ。

★サイコメトリー、オーラ視など「魂の眼」を身につけるための知識を得たい人向け。


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