魔法入門<IMN的魔術学習参考邦書解説>

(Magic – its Ritual Power and Purpose & The Magician – his training and Work)

W・E・バトラーの著作「魔術」「魔術師」2冊を一冊に纏めて邦訳した書。内容の方は、魔法についての定義と概観から始まり、魔法の理論、道具立て、そして、不可視体、霊視と霊聴、音声の魔法的応用、ひらめく色彩、綾の光などの実践的用法などが細かに書かれており、秘教的な知識が豊富に得られる一冊。西欧の神秘伝統の実践を志すものとしては、是非、読んで置くべき一冊であろう。

この本の筆者であるバトラーは、西洋の秘伝を志向している黄金の夜明け団の伝統を汲むと語っていた人だが、東洋の神秘伝統の知識も持つ人が、この書に書かれている技法についてのバトラーの説明を見ると、実際は彼の実践
には東洋的なものが、かなり色濃く影響しているのが見て取れる。

ちなみに、この本は角川書店から昭和49年に出版されたものである。当時としては、黄金の夜明け団の実践知識を紹介した画期的な本であり、後の西欧神秘伝統を研究する学徒達に多大な影響を与えた一冊だったといえよう。

また、この本の角川書店から出版されたものは、カバーが生命の樹版とアニマ・ムンディの女性版の2種類あったが、現在は角川書店から出版されたものは、どちらも既に絶版で入手困難なので、現在、西欧神秘伝統を志す学徒は、2000年に出帆新社より再版されたもの(¥3570)を購入すると良いと思う。

(2014.05.20追記)2014年現在、この本はネット書店を見ると角川書店版や出帆新社版でも高値がついている模様である。この本の内容は他の本やネットにも載っている事も多いので、学徒には出帆新社版が古書店で常識的な値段くらいで販売しているようであれば、入手することをオススメする。

★魔術の実践的な用法を知りたい人向け。


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