神秘行の初歩訓練法について

解説

ここでは、神秘行の初歩的な実践訓練法について紹介していきたいと思います。しかし、こういった神秘的な訓練法を紹介するにあたって、もしかすると読者の中にはその訓練法に変な期待を抱く方もいるかもしれませんので、ここでは訓練法の紹介も兼ねて、少しだけこれからこのページを読まれる方に注意点を述べておきましょう。

神秘行というと、よく怪しげな呪文を唱えたり術を使ったりするという訓練法を期待する方もいるかもしれません。しかし、ここで紹介する初歩的訓練法には一切そういった訓練法はありません。よく勘違いされやすいのですが、本来、こういった訓練というものは、人間がその持っている能力を最大限活用出来るようにするという、とても現実的なものなのです。

実際の神秘行は自分自身のあらゆる能力をよく知った上で、それらを元にこの世界の様々な法則(現在科学で立証されている事から未だ解明されてないものまで)を修得・利用し、自分の真の意志をこの世界に実現していく事こそが、とても大事な事だと私は思っています。それゆえ、一般の人がよく期待するようなこの世界の法則をあまりに外れた事については、もう一度言いますが「まったく出来ません」。これは、よく理解しておいてください。

この初歩訓練法に書かれてる事柄は、そのどれもが神秘行の学習をしていく上で欠かせない基礎的な実践訓練です。ここで、この訓練法を学ぼうとする方に、もう一つ注意しておくべき事があります。それは、こういった訓練法を始めたからといって、すぐに上達するとは思わないでくださいという事です。こういった基礎的な訓練を行ってもしばらくの間、もしかすると1年以上も自分自身に変化すら起こらないかもしれません。

こういった訓練法というのはスポーツに例えてみると解りやすいかもしれません。今までまったくのシロウトだった人が、トレーニングを始めたからといって、いきなり、その道のプロの選手の域まで達せるでしょうか?。上にも書きましたが、神秘行はあくまでも現実の法則に沿った上で、自分の目的を達するものなのです。それゆえ、この訓練を始めようとする学び手はゆっくり焦らずに、まずは、自分自身の基礎的な能力の開発に励んで行ってください。

ここに紹介する訓練法は基礎的なものですが、どれもさらに練習を発展させていこうすると、とても奥が深くなってくるものです。しかし、初歩から一つの事柄だけ練習していては、先の段階へ進めなくなるので、初歩の時点においての訓練は、これから挙げる事を目安にして、満べんなく基礎的な訓練を習得するようにしてください。

ただし、これから書かれている事柄を満たしたからといって、ここに書かれてる訓練法はそれで卒業出来たと言うわけでは無く、更にこの先も発展した訓練法をずっと生涯に渡って訓練していくべきものです。それは、もう一度スポーツに例えてみれば、マラソン選手における体力作りみたいなものとも言えるでしょう。

いくら走る技術を向上させたからといって、体力つくりを怠れば、すぐに結果が悪くなるのは目に見えますね。学び手はこれらの事をよく心がけながら、初歩訓練法を行っていくようにしてください。

訓練の進め方

訓練の進め方としては、最初の一週間は呼吸法1の練習をはじめてください。第2週は呼吸法1を続けながらリラックス法1をはじめると良いでしょう。次の週も引き続き呼吸法とリラックス法を行ないながら導引1をはじめます。

ここまで来たら、これらの修行が日常で無理なく行えるようになるまで様子を見ます。そして、次に集中法1と視覚化1をはじめるという感じで練習していってください。もちろん、各人それぞれ自分の練習の進み具合をよく考えながら、この目安は早くしたり遅くしたりしても構いません。最後に下に訓練がどこまで行えるようになれば良いかの、だいたいの目安を書いておきます。

呼吸法1について

1 四拍呼吸を途切れず5分間滑らかに行なえるか?。
2 数息観を100まで行なえるか?。
3 腹式呼吸を10分間滑らかに行なえるか?。
4 各呼吸法を行なう前と後の意識の変化に気付いたか?。

リラックス法1について

1 緊張の感じが理解できたか?。
2 力を受動的に抜いて行く感じ、能動的に抜いて行く感じが理解できたか?
3 各部位のリラックスは一通り済ましてみたか?。

導引1について

1 各部導引、及び全身導引のやり方は覚えたか?
2 各部、全身導引を実際に行なう事が出来るか?

集中法1について

1 一点集中を3分間、心のおしゃべりをする事無く行なえるか?。
2 単一物思考を他の思考にそれる事無く3分間行なえるか?。

視覚化1について

1 残像を大まかにでも意識的に5秒間残す事は出来るか?。
2 遠く離れたところや自分の目の前に、すぐ視点を調節する事が出来るか?。


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