固精法について
仙道修行において、小周天を行うために精を溜めようとしてるが、なかなかうまく行かないという事をよく聞きます。そのために有用と思われる考えを私なりに以下に纏めてみました。
まず、食物に気をつける。
ニンニク、ショウガなどの強精食について
仙道ではよくニンニクやショウガなどの精のつく食べ物を摂って精気を強くしろと言われます。しかし、この方法はその修行者の体質によって使い分けが必要です。
基本的にニンニクなどの強精食を食うのは病気だったり、ストレスが溜まるなどして体が弱くなってる人が食うべきでしょう。もともと元気の良い人が、さらに陽気を強めようとして強精食を摂ると、その事によって性欲が激しくなってしまい、制御しきれず漏らしてしまう事の方が多いものです。
体が元気な人は強精食を摂る事よりも、気を感じる修行の方を特に重点的に練習した方が仙道の進み方は早いでしょう。あと、ニンニクは胃が荒れている人には刺激が強すぎる事があるので、そういった場合、食べ方には工夫をしてください。
肉類に気をつける
日常の食事であまり肉類を多く摂ると必然的に体質が興奮しやすいものとなります。そうするとちょっとした刺激で精を漏らしやすくなりますので、肉類は出来るだけ控えるようにしましょう。しかし、これは肉を食べるなと言ってるわけではありません。
よく熱心な修行者に多いのですが、「控えめ」と言ってるのに、それを過剰に受け取って、全然食わないようになってしまう事。これは余計に体のバランスを崩してしまう元になります。
味つけにも気をつける
たまに食べるのならば良いのですが、あまりにも辛い食べ物や香辛料をたっぷり使った食べ物を取り続けると、これも体を興奮させてしまい、精を漏らしやすくなってしまうので気をつけた方が良いでしょう。
ジャンク食品をあまり食べないという事。
人間が食事によって得ているものには、五大栄養素の他に、いわゆる「精気」というのがあります。ジャンク食品は長期保存が効くかわりに、この「精気」がほとんどありません。
仙道では基本的に「新鮮」な食物を「丸ごと」摂る事を求めます。現代の生活スタイルではなかなか難しい事ですが、なるべく心がけて自分の食事に気をつけてみましょう。
満腹になるまで食べない。
必要以上に食物を摂ると、眠気や性欲を催す元となります。
甘いものを摂りすぎない
甘いものも過度に摂取すると催淫効果をもたらすと言われています。
環境に気をつける。
刺激的な本やビデオを身近におかない。
そのままです(笑)。実際に見なくても側に置いてるだけで、その本やビデオから発してる気が貴方を手招きしてしまうでしょう(爆)。
あまり激しい感情を発しない。
感情も適度なものならば、人間的に豊かにしてくれるのですが、あまり激しい感情を日常的に発していると、精気を害する元となりますし、意識の制御にもマイナスとなります。そういった感情を発せざるを得ない環境はなるべく避けるようにしましょう。
TVをあまり見ない
最近のTV番組には知らず知らずのうちに情動を刺激するような番組も見かけられます。とりあえず、精を溜めているうちはあまりTVは見ないほうが無難でしょう。
日常的な意識の用い方
努めて平静に
これをやりすぎるとあんまり楽しくない人生になってしまいますが(苦笑)。少なくとも小周天のために精を溜めようとしている間や、何らかの精気を多く必要とする修行を行おうとしてるときくらいは、何が起きても意識を動かされないように、日頃からこころがけてください。
ものごとにあまりこだわりすぎない
あまりものごとを深く考えないように。特に言語思考(いわゆる、心のおしゃべり)を行いすぎると、かなり精気を損する元となりますので、気をつけてください。
日常的な体の動きについて
暇があったら眼を瞑る。
眼からも意外と大量の気が漏れています。暇があったら、眼をつぶって心を静めましょう。
ヨガの死のポーズの練習をする。
腕を組む。指を組む、足を組む。
呼吸をゆっくりとする。
導引をする。
肛門、下腹部の強化を行う。
最後に
以上、いろいろと精を溜めるために有用と思われることについて述べてきましたが、最後に知っておいてもらいたい一番大切なことがあります。それは、別に小周天自体はそんなに強い陽気を用いなくても最初は構わないという事なのです。
私も小周天は最初、気の感じのみを元にして行いました。それから何ヶ月も練習していくうちに強い陽気を扱えるようになったのです。元々、普通の元気な若い人はその身体に十分な気を持っています。
特別に強い陽気を得るための方法を行うのは、体が弱い人や中年以上の元気が無くなってきた年齢の人だけで良いのです。普通の人はそれよりも、気を感じる練習や気を制御する練習を重点的に行ったほうが進み方は早いと思います。
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