神秘的世界、オカルト界、精神世界の注意点

このHPをここまで読んでくれた方達は、次の三つの種類に分けれると思います。まず一つ目は、今までまったく神秘行というものを知らず、このHPでそれがどんなものか興味をもたれた方。二つ目は、何かのきっかけで神秘行に興味を持たれ、その情報を求めて、このHPに辿り着かれた方。そして、三つ目はある程度以上の知識と情報を既に持ち、その上で神秘行の情報を求められている方。

このうち三つ目に該当するような方ならば、この項は読まれなくても構わないと思います。しかし、一つ目、二つ目に該当するような方達の場合には、知っておいてもらいたい事柄があります。

人間世界全てにも言える事ですが、こういった神秘行を含む精神世界には特に、まだ右も左もわからないような初心者たちを食い物にして利益を得たり、楽しんだりしようとする輩や、人生を狂わせるような落とし穴が、多く存在するのです。

特に精神世界は目に見えないものを扱うというその性質上、嘘や誤りになかなか気づけ無いことも多く、被害が深刻になりやすいものです。そして、昔から宗教家や霊能者などを騙る詐欺師に酷いめに合わされ大金を取られたり、人生まで狂わされてしまったという話もよく聞いたりします。

せっかく私のこのHPを読んでくれたのも、何かのご縁ですので、先の一つ目二つ目に該当するような初心者の方に、ここで幾つか、このHPに関係するような神秘的世界における注意点というのを述べておきたいと思います。こういった世界を歩くための行動の注意点として心がけてみてくれれば幸いです。

(上図 「驚異の超能力者たち」より)

懐疑心を大事に

まず第一に、神秘行あるいはオカルト、宗教の世界で自分は何か非科学的なすごい能力を持っており、お前を弟子にしてやろうとか、不思議な術を使って幸せにしてやろうという人に出会った場合、そういった人の話を簡単に信用しないことを、よく心して置いてください。

神秘行といった分野は特にそういう人物が多く、しかも初心者はそういった人が何か凄いことが出来そうな人物だという幻想や期待をすぐ持ってしまう傾向があります。しかし、初心者が期待するようなそういった人間の能力を超えるような凄い事が出来る人というのは、まずいません。

どんな人でも人間にしか過ぎませんし、例えば、物理法則を覆すような事は人間にはまず出来ません。もし、能力を見せてやると言われて、何か、非科学的な事までも目の前で行われた場合、そこにはまず、何かトリックが無いかを「よく見極めようとする懐疑心」を持つ事を、この世界では一番大事にしてください。

そういった事も考えに入れて、もし、この世界に関わろうと思う方は、予備知識として手品(トリック)や催眠術、心理学などの基礎的な勉強はしておいたほうが良いでしょう。また、不思議な術を使って幸せにしてあげるとか、憎い相手を不幸に出来るという人物に対しては、今まで、どんな成果があがっているかの証拠を見せてもらう。

また、それを全く無関係の複数の人物にも証言してもらう、などの慎重な態度をこころがけてください。また、その証言が嘘でないかも常に疑ってかかるようにしてください。

「悟り」や「解脱」について

次に、「私は悟りを開いた」とか「解脱をした」という人の話の場合の説明をしましょう。悟りを開いたというと、まだ、この神秘世界の事をよく知らない人は、その人が人生の凄い段階まで至ったのだと勘違いしやすいものですが、現在の脳内生理学では「悟りを開いた」という現象は、厳しい修行をしたことにより、心身のバランスが壊れてしまい、脳内麻薬が出っ放しになっちゃったという解釈も行えるのです。

脳内麻薬とは、心身が強い痛みにさらされた時に自動的に脳で分泌される化学物質のことですが、これが出ると人間は痛覚が麻痺してしまい、イイ気持ちになってしまうものです。そして、厳しい修行をした人は、その厳しい修行の為に、脳の痛みを麻痺させる箇所が壊れ、脳内麻薬が出っ放しになっちゃうという事が起こりうるのです。そうなると、その人はいつも得も言われぬイイ気分になってしまうので、自分は悟ったのだ!と勘違いしてしまうのです。つまり「イッちゃった」という事ですね。

もちろん、世の中にはごく稀には、それだけでは無い方もいらっしゃるでしょうが、単純に「それだけ」で私は悟りを開いたとか言ってる方も多いので、その辺りの見極めをよく注意してください。ともかく、「悟りを開いた」=凄い人という安直な考えはやめるようにしましょう。

「師」について

次に、上とも関係する事柄ですが、こういった神秘的な世界の初心者には、神秘行に優れた人を見つけ、その人に弟子入りをして、自分もそういった能力を身につけたいという願望を持つ人がよくいます。そういった方はまず、自分が「何」に弟子入りしたいのか?という事をよく考えてください。

まず滅多にいないのですが、それでもこういった世界で奇跡的に本当に優れた能力を持つ人を見つけると、得てして、初心者はその人の人格、人間全てが優れたものに違いないと考えてしまいがちです。そして、その師に弟子入りを行う場合、その人の全て言う事に従いますといった形になってしまいやすいものです。

しかし、心理学を学べば理解できる事柄ですが、この世界に完全な人間というものはいません。人間というのは多面的な存在です。どんな人にも良いところもあれば、悪いところもあります。どんな聖人君子でも悪しき面を絶対心のどこかに持っているのです。

神秘的な世界で、師と弟子といった関係を結ぶ場合、その弟子は師の悪いところまでも、「師の行ってる事だから、何か深い考えがあるのだろう」等といって、そのまま無批判に受け入れてしまいがちになるのですが、師の全てを受け入れてしまうのではなく、良いところと悪いところをはっきりと区別し、悪しき事柄までも真似してしまう事の無いようにしましょう。

誰かを師と仰ぎ、その人の優れた能力を受け継ごうとするのはとても良いことですが、しかし、その場合は、「師」というものに過大な期待を抱くのはやめましょう。「師」も結局は人間でしか無いことを心に留めておくべきなのです。

そして、師を求める場合、「人格的な師」と「能力的な師」は分けて考えるべきという事を理解しておいてください。人間にとっての本当の「人格的な師」とは、それを求める人の心の内の、その求める心にこそあるのです。

霊的な力をもって人を左右しようとする人について

この世界では時々、自分は神の使いであるとか 聖人の生まれかわりであるとか、あと、同じようなものに西洋神秘伝統界の特殊な用語を使ったものであれば「私は聖守護天使との知遇を得た」とか「私はイプシシマスである」「私は秘密の首領の命を得ている」とか、いろいろ訳の解らない事を言って、人を自分の意のままに動かそうとする人物に出会う時があります。

しかし、実質的にそういった人の言ってることはかなりの確立(99.99999999999%(以下、9が永遠に続く))で嘘、もしくはその人が単に思い込んでるに過ぎないと考えるべきでしょう。

とにかく、自分が何らかの理由で霊的に優れており、その権威を持って人を様々な面で支配したり脅迫しようとする人物には近づかない方が無難です。また、似たようなものに「霊的な力をもって君の運を良くしてあげよう」と言う感じで、多額の金銭を要求してきたり、変な事や、性的な事をするように言ってくる人物もいます。

しかし、これらは霊的にカモフラージュしただけであって、結局は、その人が金を目的としたり、変な事や性的な事がしたいだけなのです。そういった類のものが嫌なら、きっぱりと断ってください。また、繰り返しになりますが、そういった怪しげな人には、近づかないようにしましょう。もし、何かあったら警察にすぐに言うことです。霊的に脅かすなどと言ってきた場合は、真面目に請えば、現在、インターネット上で幾らでも貴方を助けてくれる人を見つける事が出来るでしょう。

「魔術」と心理学について

次に、特に西洋神秘伝統や魔術というものに興味を持った人によくありがちな事として、天使の召喚や悪魔の喚起(呼び出し)といった事柄に興味を持って、この世界に足を踏み入れる事があります。魔術という不思議な事柄が本当に伝わっているのなら、それを勉強すれば、召喚みたいな凄そうなことが出来るようになると期待してしまうのです。

しかし、現在行われている魔術というものでは、まずは科学、そして、その中でも特に「心理学」を勉強しろといわれます。現在の心理学は、実はとても発展しており、一昔前では全然理解できなかったような心に関わる神秘的な事柄も、かなり理論的に説明できることが可能になってきているのです。

こういった世界に興味を持つ人というのは、えてして、今の科学なんて神秘的な事柄を説明できる訳が無い、と頭から決め付けてしまい、実際は調べれば簡単に答えが出るような基本的な事柄さえも調べようとせずに、いたずらにこういったものを不思議がり期待しようとしてしまう事が多いものです。

もし、読者の方が神秘的な世界を本当に真面目に探求してみようと思われるのならば、まず、そういった凝り固まった先入観を捨て、現在の心理学や脳内生理学、現代物理学などの最新の科学の考え方も学ぶようにしましょう。

そして、実際、上にあげたような「天使」や「悪魔」というのは、心理学の説明では、人間の心に潜んでいるその言葉が表すような、「心理的な一面」を象徴するものだと説明出来るのです。魔術で行う召喚という方法は、その自分の心の一面を呼び出して制御するものだと解釈出来るでしょう。

例えば「高慢」を司る悪魔というものを呼び出す場合、その人が召喚を行い、眼前に呼び出したものは、自分自身の「高慢」という心の中のエネルギーが、自分の目の前に悪魔という姿をかりて現れるのです。

早く言えば魔術による召喚というものは、自己催眠によって自分の心の一面と向かい合うという現象と言えるのです。しかし、この存在はただそれだけに留まるものでは無いと言う事も事実ではあるのですが。

霊的詐欺師について

次にこういった世界でよく初心者がだまされる事として、神秘的な能力がつくとか、神秘的なものを授けてあげよう、霊的な治療をしてあげようとか、波動で幸運になる等と言われて、その代価としてとても高額な金銭を払ってしまうという事があります。こういった詐欺的手法というのは、昔からよくある事柄です。

ただの石に絵の具を塗って幸運の石だとして売ったりなど、本来、原価は無料に近い値段のものを無意味に高く売りつけたりといった事件は誰しも聞いたことがあると思います。信ずるものは救われるといった言葉を聞きますが、現実は「信ずるものはバカを見る」世界です。

イヤな考え方かもしれませんが、神秘的世界を歩いていこうとする場合は、そんな事もよく心に留めておいてください。

抽象的な言葉について

次に神秘的な世界によくある事として「真理」や「真の意志」「真の愛」といった、抽象的な用語を理解するために修行を行おうというものがあります。しかし、こういった抽象的な用語の扱いには、慎重さを心がけてください。

神秘的な事柄を好むタイプの人によくある事ですが、これらの抽象的な言葉の絶対的な理解を得ようと、常に悩み続けたり、いろんな神秘的な団体を渡り歩き、いろんな修行法をおこなってみたりしますが、それでも、答えが得られなくて常に何かに精神的に飢えているような状態に陥ってしまう場合があるのです。

しかし、そういった人は、実際は自分のその悩んでいる状態が「何か高尚な哲学を考えている自分」で、とてもレベルの高いものに近づきつつあるのだと思い込み、そういう自分に酔っていたいだけだったりするのです。神秘的世界では、こういった自分の観念に凝り固まってしまっている人がよくいて、そういった方の場合、他人の意見は、自分に快いものしか受け入れなくなってしまいます。

しかし、そういった人の心は人間の心としての本来の柔軟さが失われてしまってる状況なのです。もし、そのまま自分の心に気づかずに、悩み続けようとすると、早いうちにその人は心身までも壊してしまうでしょう。

心霊的現象について

昔から一般世間には心霊話というものが、よく流行ったりしていて、今でもTVなどでその関係の番組が放送されているのを見たりします。そういった番組を見てみると、心霊というものがいまだに科学では解明できない不思議なものという前提認識のもとで話が作られています。

しかし、このHPの心霊のページでも書いていますが、完全に解明できたわけでは無いものの、その原因や理解の仕方というものは、ある程度説明できるようになってきました。特に、幽霊を見たりとか、金縛りにかかったりとか、憑霊現象とか除霊の場で霊が降りてきて、人が暴れるといった事柄などは、これも現在の心理学や脳内生理学でかなり説明できるようになってきているのです。

もし、心霊的現象というものに興味を持たれるのならば、TVや雑誌などで言われるような「科学では解明できない」という話を鵜呑みにせず、まず、自分自身で最新の科学的知識を学ぶようにしてください。

纏め

以上、いろいろと述べてきました。このHPで扱っているような世界に神秘的なものを求めて、読んでいただいている方にとっては、かなり失望させてしまうものだったかもしれません。しかし、昔から、こういった世界では、神秘的なものに期待する初心者に対して様々な詐欺や脅迫、洗脳などの犯罪的なことが行われてきて、その被害者が今でも絶えないのです。

とにかく神秘的、オカルト的な世界に関わる場合は、その基本的な心構えとして、いたずらに神秘めかしたり、不思議がったり、有難がったりせずに、まずはそういった事に疑問をもち、様々な最新の科学的知識や詐欺の手法などを調べた上で(現在ならばインターネットで検索すればとても多くの知識を得られるでしょう)、それらをよく理解してから、こういった世界に関わるという心構えを持つようにしましょう。

それは、こういった事を書いている私のHPに関しても、もちろん当てはまります。読者の方は、このHPに書いてあることも鵜呑みにせず、他の様々な事を調べ、自分自身で納得した上で、このHPに書いていることを取り入れるようにするべきでしょう。

その上で、このHPに記した知識が、このHPを読んでいただいた多くの方の、他の何にも惑わされない自分自身の本当の「幸せ」を見つける為の役に立つ事が出来れば、とても嬉しいことです。


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