外陣各位階知識教義一覧

団員に教えていた知識教義

GD団では、入団者に各位階に応じた秘教的・オカルト的知識を教育していた。ここでは、そのうちの外陣の段階で教えられていた知識教義の一覧を掲載しておこう。

GD団の外陣の各位階の教義は「知識教義文書」と「位階用瞑想」が基本文書となっていた。GD団の団員は位階に参入した時点でこれらの文書が渡され、その内容を学習するように指示されたのだ。そのうち、知識教義文書に関しては、その殆どが暗号文書に書かれている内容が元になっている。主にウェストコットなどが、暗号文書の内容を元に、様々な秘教の知識を加えた知識教義文書を作成。それらを参入者に教えるといった方法を取っていたのだ。

また、位階用瞑想では、各位階と対応する元素に関連する瞑想を実施する様に指示している。これらの基本文書は殆どがイスラエル・リガルディー(IR)の出版した「The Golden Dawn」(邦訳 黄金の夜明け魔術全書 上下巻(江口 之隆氏訳))に掲載されているので、詳細な内容に興味を持たれた方はそちらを参照されたし。

また、IMNでも後に簡単には内容の紹介を行う予定である。そして、GD団の外陣では基本文書以外にも副教義文書として、「イェツィラーの書」「ポイマンドレース」「カルデアの神託」「浄化の炎」など、その当時知られていた様々な秘教の資料的文書を学習する様に指示されていた。

知識教義の変遷

学徒の中には、古代から伝わるという秘教団体の知識という事で、確固とした永遠不変の真理を伝える知識カリキュラムを期待する向きもあるかも知れない。しかし、GD団の外陣で教えられた知識教義は、団の歴史や活動状況により、どの位階でどの知識を教えるといった構成が、かなり変遷した模様である。例えば、団が出来てからしばらくは、まだ知識教義の文書作成が追い付いていなかったらしい。

R.A.Gilbert氏がその著書「Golden Dawn Companion」で紹介している初期(1890年代半ば)のGD団の各位階知識教義一覧を見ると、その頃のGD団ではフィロソファスの段階の知識教義文書が出来上がっていなかった為、フィロソファスには知識教義文書を渡すのでは無く、メイザースが様々な学習するべきものを指示していただけであったという事が書かれている。

それに対して、IRが1930年代後半に出版した、その頃のGD団(暁の星団)の教義文書の集大成的な著書「The Golden Dawn」を見ると、ちゃんとフィロソファス用の知識教義文書も用意されている事がわかる。しかし、この知識教義文書の内容は歴史を経るに連れて増えていくばかりではなく、消えてしまう内容もあった。Gilbert氏の初期GD団の各位階知識教義には存在する内容が、逆にIRの暁の星団の知識教義からは消えていたりするのだ。

知識教義が消えた理由は幾つかあるとみられている。GD団の初期の頃はまだあまり一般には知られていなかった為、団の知識として教育していたものが、歴史を経るにつれて研究書が多く出版され、一般にも普及した為、わざわざ団の知識として教育する必要が無くなったというものもあったであろう。しかし、中には教育するのが面倒くさい、あるいは上位階のものが内容が理解できなかったり価値が解らなかった為に削られた知識内容もあったとみられている。

再構成した知識教義一覧

以上の事を踏まえて、このページで紹介する各位階用の知識教義の一覧は、IRの「The Golden Dawn」をベースにしているが、当方で各位階に適した構成になるように、暗号文書や位階儀式、「黄金の夜明け魔術全書 下巻」、ciceroの「self-initiation」などを参考にして、幾らか変更しているので注意されたし。「The Golden Dawn」から変更した箇所は解るように後ろに赤字で注を付けている。

例えば、(3から2へ)と書いているのはIR本では第3知識文書(セオリカス位階)にあるものを、このページでは第2(ジェレーター位階)に移したものである。(位階儀式より)とあるものは、該当する位階の参入儀式では知識として紹介されるが、IR知識教義文書には無いものである。(E位階儀式)とあるものは、「黄金の夜明け魔術全書 下巻(江口 之隆氏訳)」にて補完されている位階参入儀式文書から来たものである。また、(暗号文書)とあるものは、暗号文書には知識教義として示されているが、IR本にはないものである。

以上、もし、学徒がこのページを参考にする際は、その旨、認識しておいてほしい。

ニオファイト

・古代人の四大。錬金術的象徴。性質と記号
・黄道12宮の名前と占星術的象徴、四大の配属
・古代人の七惑星と占星術的象徴
・竜頭と竜尾。海王星と天王星への対応
・ヘブライ語のアルファベット
(文字。名前。英語の等価文字。数値。意味。末尾形)
・セフィロト。生命の樹
(セフィラの名称と意味)
・カバラ十字。小五芒星儀式
・小五芒星儀式の使用法
・柱について−エジプトの死者の書から
・ニオファイト用瞑想−数学的な点に関する瞑想。四拍呼吸

ジェレーター

・錬金術の自然の三原理の記号と名称
・錬金術の金属の七惑星への配属
・錬金術の専門用語について
(哲学者の太陽。哲学者の月。緑の獅子。黒い竜。王。女王。)
・四大の元素霊について
(グノーム。シルフ。ウンディーネ。サラマンダー)
・ケルビムについて。
(宮の作用、象徴、四大への配属)
・テトラグラマトン、聖四文字について
・鍵十字(フィルフォットクロス)の象徴について(3から2へ。位階儀式による)
・浄化の水の大水盤(真鍮の水盤)について
・燔供祭壇について
・クリフォトについて
・聖なる場と二十二文字の象徴(3から2へ。位階儀式による)
・ヘブライ文字の三母字、七複字、十二単字について(3から2へ。位階儀式による)
・供物のパンの卓について(3から2へ。位階儀式による)
・七枝燭台について(位階儀式より)
・七曜の七芒星(位階儀式より)
・アッシャーの七宮殿。黙示録の七教会。七灯について(位階儀式より)
・香祭壇について
・祭壇の生命の樹の図版について
(10個のセフィロトと小径。小径をはいのぼる蛇。神格、大天使、天使団の名前。燃える剣)
・形成の書と32の小道
・二つの柱
・カバラの四界
・アッシャーの十の家あるいは天
・セフィロトに配属される神聖名の一覧表
・惑星に配属される名前、天使、知性体の一覧表
・タロットについて(構成。四スーツ)
・占星術について(暗号文書より)
(四分類。十二室。アスペクト)
・ジェレーター用瞑想
(直線。四角形。立方体。鉱物や結晶、塩の結晶。地の霊たちとの同一。地の十二宮の瞑想)

セオリカス

・魂−カバラによる三つの部分
(ネシャマー(更に次に三分割される→イェキダー、キアー、ネシャマー)、ルアク、ネフェシュ)
・星幽霊
(偽りに満ちた幻影。死者の抜け殻)
・元素霊
(元素の世界に属するもの。良いものも悪いものもいる)
・天使
(純粋にして高次の霊。善そのもの)
・タロットについて
(十枚の数札とセフィロト。四スートと聖四文字。棒=Y、杯=H、剣=V、ペンタクル=H。カバラの四界への対応。人物札の象徴(聖四文字の代官。父、母、息子、娘。誕生、命、死亡、再生))
・ヘルメスのカドゥケウスの象徴について
(三母字によるものと通常のカドゥケウスの生命の樹への対応)
・立体ギリシア十字(立方十字)。タウの小径の許可記章について(4から3へ。位階儀式による)
・エデン図について(位階儀式より)
・ゲヘナ図について(位階儀式より)
・生命の樹への錬金術的属性の配属二種(5から3へ。暗号文書、E儀式文書による)
・惑星と線形図形(4から3へ。暗号文書、E儀式文書による)
(ポリゴンとポリグラム)
・ジェオマンシーの記号と十二宮配属(4から3へ。暗号文書、E儀式文書による)
・生命の樹上の月の意味
(満ちる月。欠ける月。満月)
・セオリカス用瞑想
(月の呼吸。銀の三日月の瞑想。風の十二宮と数字、九と五の数及び五芒星の瞑想。植物の瞑想。精神世界と外見・実体についての瞑想)

プラクティカス

・惑星の魔方陣。
・惑星の占星術的象徴(5から4へ。暗号文書による)
(十字、三日月、円の組み合わせ。各惑星象徴の錬金術的意味合い)
・火のピラミッド(立体三角、三角錐)。シンの小径の許可記章について
・ギリシャ十字。レシュの小径の許可記章について
・ストリステスの杯。3=8の許可記章について
・生命の樹上の水星の象徴について
・タロット大アルカナの属性表
(生命の樹上のパス。ヘブライ文字。象徴)
・メイザースによるタロットに関するノート。
・追放前のエデンの園の図版について
・エデンの4つのナハル(川)について
(ヒデケル、ピソン、ギホン、フラト)
・一般指導及び魂の浄化に関して
・プラクティカス用瞑想
(Rhomboid(偏菱形。資料によってはRhombus(菱形)となっている場合もある)とvesica(嚢)の象徴についての瞑想。水星の象徴と8の数について。感情の統御。水の十二宮についての瞑想。<水の力>との同一視)

フィロソファス

・アゾト(AZOTH)の意味
・アイン、アイン・ソフ、アイン・ソフ・オウルの意味
・ケテルの各種称号について
・アッバ、アイマ、エロヒム、ザイル・アンピン、マルカについて
・4界とタロットの4スーツへの対応
・400のセフィラについて
・タロットと生命の樹の対応
・12の正方形のカルバリ十字。クォフの小径の許可記章について
・四元素の立体ピラミッド。ツァダイの小径の許可記章について
・10の正方形のカルバリ十字。ペーの小径の許可記章について
・ヘゲモンの記章、6の正方形のカルバリ十字。4=7の許可記章について
・生命の樹上の金星の象徴について
・ネフェシュタンの蛇の象徴(暗号文書及びE位階儀式より)
・9室のカバラについて(暗号文書及びE位階儀式より)
・タロットにおける<生命の樹>の形成法(暗号文書及びE位階儀式より)
・地占象徴による護符の使用法(E位階儀式より)
・四元素と関連する名前
(ヘブル語、大いなる名前。方角。大天使。天使。支配者。王。精霊)
・10セフィロトに配属された7宮殿
・生命の樹のクリフォト
・四界の聖なる名前の書き方(E位階儀式より)
・ヘブル語のイェツィラー配属の見方
・更なる線形図(E位階儀式より)
・「形成の書」による10の数の分割(E位階儀式より)
・生命の樹の地占術の配属(E位階儀式より)
・イェツイラー界の宮殿の図版(E位階儀式より)
・生命の樹にダースを加えた場合の小径群の図版(E位階儀式より)
・錬金術的知識について
(大鴉、獅子、鷲の錬金術的意味。化学的過程と錬金術的過程の違い。蒸留器。哲学者の炉。温水槽。温砂槽。哲学者の卵)
・生命の樹上の錬金術的硫黄の象徴
・生命の樹のティファレトの六芒星
・生命の樹上の錬金術的塩の象徴
・四大の三角形記号の生命の樹への配属
・12星座に属するヘブル名、大天使、天使等、宮の支配天使、デカン、デカン支配天使、五度分角支配天使の表(シェム・ハ・メフォラシュ講義より)
・追放後のエデンの園の図版について(4から5へ)
・フィロソファス用瞑想
(火の三角形の象徴に関する瞑想。金星の象徴の瞑想。<火の力>との同一視。火の十二宮の瞑想)


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