閃く色彩<IMN的魔術実践基本学習>

「閃く色彩」

「閃く色彩」とは、色彩の補色残像という現象を利用した実践学習法である。色彩というものは日常、何気なく見過ごされやすいものだが、西欧神秘伝統では、とても重要視している事柄の一つである。後の学習でも色彩の神秘的意味合いについては学習することになるが、まず、ここでは「閃く色彩」といった現象を経験する事を目的にする。下にある図形をプリンタなどで外側の円を10cmくらいの大きさにして打ち出す事。パソコンの画面の画像をそのまま使っても構わないが、図形を凝視するので、目を悪くしないようには気をつけてほしい。

図形の用意が出来たら、どれか1枚を選ぶ。最初に練習するときは、赤と緑で出来た図形が効果を起こしやすいので、それを選ぶと良いだろう。ただ、人によっては他の図像が効果が高いときもあるのでその辺は各自で調べてほしい。

図像を選んだら、体をリラックスさせ、ゆったりと呼吸しながら図形を眺めていく。その際は図形を見つめるのでは無く、ちょっと眼の焦点をずらし気味にしながら、図形を眺めていくこと。リラックスと集中が上手く行えていれば、やがて、意識がボーッとして、図形の色と色の境界線に閃光が走ったり、チカチカしたり、普通に図形を見ているのとは違う現象や感覚を経験するだろう。これを「色彩が閃く」という。学徒はこの時の自分の意識の状態を覚えておいてほしい。

通常とは違う体験をした場合の注意点

こういった体験をはじめてした人の中は、とても驚いたり信じられないと思ったりする人もいると思う。中には自分に変な能力がつきはじめたのでは無いかと思ってしまう人もいるかもしれないが、この現象はちゃんと生理学的に説明がされている誰でも起こる現象であるので安心してほしい。

ただ、こういった事柄に関連してここで一つ注意しておきたい事がある。それは、こういった西欧神秘伝統の実践学習に限らず、他の様々な訓練法でも、ある生理的に説明がつく現象を、そういった事柄にたいする予備的知識が無いために、不思議な現象であると勘違いしたり、自分に不思議な能力がつきはじめたのだと信じ込んでしまう人がいるのだ。

例えばこういう方法がある。まず、晴れた青空を見る。そうすると、そこに精子みたいな小さな光る物体が目の前を無数に飛んでいるのが見えるのを経験する。これを、空間に満ちたプラーナが見えるのだと説明しているところもあるのだが、実際はこれも生理学的に説明のついている、眼に関する一つの現象であり、プラーナとは関係無い現象なのである。秘儀的な世界には、こういった知識の無い学徒を引っかけるような事柄がたくさんあるので、学徒はよく気をつけながら学習を進めていってほしい。

補色の残像

話を元に戻す。こういった色彩が閃くという現象を経験したら、次に何も描かれてない白い紙を用意する。そして、再び図形を眺め、色彩が閃く状態に持っていく。そこまで行ったら、ここでは、一ぺん目をつぶってほしい。すると、瞼の裏に図形の補色の残像が見えると思う。それが見えるのが確認できたら、瞼を開けて用意した白い紙を見る事。すると、その白い紙の上にも補色の残像が見えると思う。もし、ここまで行う途中で補色の残像が消えてしまった場合は、再び図像を眺めて、その閃く色彩を眼に覚え込むようにしてから繰り返し行う事。

この段階まできたら、次に白い紙に残った残像を自分の意志で残す練習をする。とはいっても、特別な方法が必要なのではなく、ただ、「その残像を残したい」と思い、それを眼に残るように意識するだけで、実際に残るようになる。これを繰り返し、その感覚に慣れると、残像が一度消えても再び残像を呼び出せるようになる。

これまでの方法が出来るようになったら、その残像を自分の意志のままに大きくしたり小さくしたり、白い紙の上でなく青空や暗いところで補色残像を見たり、最後には閃く色彩を見ずに、自分の意志だけで補色残像を作り出せるようにもしてみること。この際に注意することとして、それらの像は自分が見ようと思ったときにだけ見えるように「制御」する事を第一にする事。自分が見ようとも思わないのに、それらの像が見えるのは意志が制御できてないものとして、避けるようにするべき事柄である。こういった段階までいたると、この実践学習法は自分の意志の下に視覚を制御する効果的な練習となりうる。

色彩がひらめいているときの意識状態をよく感じる

またこの学習法のもう一つの大事なことは、色彩が閃いているときの、自分自身の通常とは違った意識の感覚を認識することである。この意識の感覚は後の学習において重要な事となるので、よく感覚を掴んで覚えておいてほしい。


「閃く色彩の図像」







上位ページに戻る