タロットについて2

学徒には前STEPでライダー版のタロットカードを購入してもらった。新しいカードを目の前にして、早く実際に使用してみたいと思っている学徒も多い事だろう。当教育コースでは、タロットカードについては、まず、占いとして使用していく方法から学習して行ってもらう。ただ、タロットについては最近は多くの人が興味を持ってきているので、もしかすると当教育コースを受講している学徒の中には、もう既にタロットによる占術はよく知っているという学徒もいるかもしれない。

そういった方でも、当教育コースの学習用文書は、基本的に”AM統合神秘行”としてのタロットの扱い方を学習してもらう為に構成しているので、全ての学徒に一から順序立ててタロットの扱い方を学習してもらう事になる。タロット占術はマスターしているという方でも、おさらいと考えて学習してほしい。

各カードの意味の記憶

当STEPでは実際に占いを行う前段階としての、まず各カードの意味合いを理解してもらう事を目的とする。前のSTEPでも触れたが、ライダー版タロットやトートタロットはGD団の魔術知識を元にして作られている。その為、これらのカードには実は絵柄を見ただけでは解らない隠された意味も多く秘められているのだ。しかし、より深い秘教的意味については後に解説するとして、まず、ここではライダー版の各カードの簡単な意味を解説しておこう。

ライダー版タロットは、その作者であるウェイト本人がカードの公式解説書とも言える「タロット図鍵(The Pictorial Key to the Tarot)」という書籍を執筆している。そのタロット図鍵を参考にAM統合神秘行的考え方も含めた、各カードの簡単な意味を下に一覧表として纏めてみた。学徒は該当するカードを見ながら、この解説を読み、一枚一枚の意味をよく感じたり、考えたりしてみてほしい。

また、タロットで占う時には、カードが逆向きになって出る場合もある。その際は「逆位置」という扱い方で、同じカードでも意味が変わる事になる。逆位置の意味は基本的に、正位置の意味がマイナス方向に変化したものである。こちらも一覧表に記しておこう。


カード番号 カードタイトル
A・E・ウェイトによるライダー版タロットの解説書「The Pictorial Key to the Tarot(タロット図鍵)」を参考に、統合神秘行的に捉えたカードの絵柄の内容や解釈の解説。
正位置 占いで出た時の基本的な意味を示す
逆位置 占いで逆位置で出た時の意味を示す
0 愚者
 「愚者」のカードは、古いタロットでは、派手な道化やみすぼらしい乞食などが描かれている事も多いが、ライダー版では夢に溢れた若い旅人が描かれている。この若者は、断崖絶壁で上空を向いて軽やかな足取りをして、足元には白い犬が嬉しそうに飛び跳ねている。彼は「他の世界の王子」であり、この世界を知り経験するために来た「旅人」なのだ。英国の魔術結社SOLによって作られたSOLタロットでは、この意味を強調するために、別の世界から通じたドアをくぐってきた若者が描かれている。

 若者の持ち物は右手に持つ棒と、そこにぶら下がっているカバン。そして、左手に持つ白い薔薇だけであるが、希望に満ちた表情をしている。また、このカードは0番として、古くからタロットのどの位置に配置するかが論議されてきたが、AM統合神秘行ではタロットの一番最初に配置する。

正位置
ライダー版のこのカードが占いで出た時は、基本的に未来に対する希望、好奇心などを意味する。様々な事にチャレンジして良し。他の意味としては自由。神聖愚行。天才。純粋さなどを示す
逆位置
失敗。ただの馬鹿。何も考えていない。無責任
1 魔術師
 「魔術師」のカードは伝統的には「奇術師」や「詐欺師」とされる事もあるが、ライダー版では、霊的秘儀に通じた若い魔術師(達人)を描いている。彼は、赤と白のローブを纏い、右手にワンドを持ち天を指し、左手で大地を指差している。それは天上の意志をワンドで受け止め、自らを通し大地に引き下ろすさまを示しているのだ。彼の頭には「無限大」のような記号、神秘の生命のシンボルが見られる。テーブルの上には自然の四大を示す魔術武器が置かれ、達人たる魔術師の意志によって操られる。彼の表情は太陽神アポロの如く自信に満ち、瞳は輝いている。
正位置
このカードが占いで出た時は、仕事や恋愛などにおいての成功を意味する。様々な事柄に成果を得れるであろう。また、身近にいる活発な若い男性により、物事が好転する事を示す。他には、はじまり、努力、良い方向への変化なども示す。
逆位置
不安定。迷い。詐欺。傲慢。失敗
2 高等女司祭
 このカードは伝統的には「女教皇」と呼ばれる事が多い。そのモデルは、中世の時代に女性である事を隠し教皇になった「ヨハンナ」の伝説から来ているとされる。カトリックでは女性が教皇になるのはありえないとされる事から、「女教皇」のカードには教会に対する風刺の意が込められていたと見る説もある。ライダー版では、そういった意味合いからは離れて、「High Priestess」として、秘教の女性の長を描いている。

 薄く透き通り、なだらかに流れる法衣に、ゆらめきながらきらめく外套を羽織った女性が神殿の前に座っている。彼女の足元には三日月が置かれ、頭には角ある王冠が載せられている。その手には「TORA(トーラ)」と書かれた巻物が見えるだろう。しかし、そのトーラは部分的に彼女の外套に隠されている。それは、トーラのある部分は暗示や口伝によって明かされることを意味するのだ。彼女の後ろの両側には神殿の白と黒の柱が位置し、その間には椰子と柘榴の刺繍が施された神殿のヴェールがかかっている。彼女は「月の女神」としてのイシスであり、また「シェキナー」「神の花嫁」なのだ。

正位置
このカードが占いで出た時は、物事の神秘性を示す。直感により、物事をよりよい方向へ動かせるだろう。また、周囲にいる若い女性の強い影響を示す。他に霊的な事柄。精神的な安定なども示す
逆位置
不安定。迷い。失敗。臆病
3 女帝
 このカードは伝統的に大地の母なる神を示すとされてきた。また、マルセイユ版では彼女が持っている盾には、同じくマルセイユ版の皇帝が持っている盾と同じ紋章が描かれていることから、女帝と皇帝は夫婦であり、このカードは最高権力者の妻を表していると見る説もある。ライダー版では彼女に12の星の冠を被せ、周囲に楽園の要素を描くことにより、秘教的な意味を強めている。

 華やかな衣服を身にまとい、天と地の娘のように気高く厳かに座っている女性。彼女の王冠には12の星、彼女のそばの盾には金星のシンボルがある。その前には麦が実り、向こう側には滝がある。彼女は「エデンの園」のより下位の「地上の楽園」であり、多くの実りをもたらす「母」。大地の母としての「イシス」である。

正位置
このカードが占いで出た時は、豊かさや優しさ、愛、成長などを示す。良い収穫が得られるであろう。また、周囲にいる目上の女性の強い影響も示す。他に妊娠、芸術的な事柄などにも良い。
逆位置
怠惰。浪費。嫉妬。悲観的
4 皇帝
 このカードは伝統的に、物質界における統治者・最高権力者を示すものであった。ウェイトが自らのタロットを作成するにあたって、あまり意味合いを変えなかったカードの一つといえよう。

 王冠を被った男性が、威厳高く王座に座っている。彼は右手にアンク十字の形をした笏(王位のしるしの杖)、左手に宝珠を持っている。彼の緋色の衣の左肩と、座っている王座には雄羊の頭が装飾されている。彼は現世の統治者である。

正位置
このカードが占いで出た時は、支配や安定さを示す。それは、主には物質的な権威によって、成り立つものであることが多いであろう。他には行動力や意志の強さも示す。
逆位置
独裁。威圧。未熟。人が離れていく
5 司祭長
 このカードは伝統的には「法王」や「教皇」と呼ばれ、一般的なイメージとしてカトリックの最高位に位置するローマ法王を示すとされた。ライダー版では「Hierophant」として、ローマ法王としてよりは、秘教の長としての意味合いを強めている。

 三重の王冠を被った男性が、二本の柱の間に座っている。彼は右手に神の祝福を示すサインを示し、左手には三重の十字架・法王の十字架を持っている。彼の足元には司祭2人がひざまづいている。彼は人類の救済の導き手である。

正位置
このカードが占いで出た時は、精神的な導きを示す。宗教的なものごとへの関心。慈愛。博愛などの高い精神性を持つ人物により、物事がより良い方向へと進むだろう。
逆位置
考えるばかりで行動が伴わない。意味のないプライド。孤独
6 恋人たち
 このカードは古くは、2人の女性の間に男性がいる構図で描かれることが多かった。男性はどちらの女性を選ぶか決めかねており、その上空を目隠しをしたキューピッドが矢を射ろうとする絵柄であった。ライダー版では、一組の男女とその上空に天使を描き、エデンの園をイメージさせ秘教的意味合いを強めている。

 前面には男性と女性が裸の状態で描かれている。彼らの背後の天には、翼を持つ人物が両手を広げている。男性は女性を見つめて、女性は天の人物を仰いでいる。男性の後ろには「生命の樹」があり、女性の後ろには「善悪の知識の樹」が生えている。善悪の知識の樹には蛇が巻き付いている。

正位置
このカードが占いで出た時は、良い恋愛運を意味する。現在、意中の人がいる場合は深い仲、あるいは結婚まで至るであろう。また、何らかの選択や精神性、男女の楽しさ、希望なども示す
逆位置
失恋。肉体だけの関係。裏切り
7 戦車
 このカードは伝統的には戦車を2頭の馬が引いている絵柄が多かった。ライダー版では、馬をスフィンクスにしてより秘教的な意味を強めている。

 無数の星の刺繍で飾られた天蓋を持つ古代の二輪戦車を、白と黒の2頭のスフィンクスが引いている。戦車の乗り物は立方体で構成され、その前面には神秘的な紋章がつけられている。戦車の中には、星の冠をかぶり月の肩当て、土占術の象徴などで装飾された甲冑を来た威厳のある若者が直立している。向こうの景色には街が見え、その前には河が流れている。彼は外的世界における勝利者である。

正位置
このカードが占いで出た時は、ものごとに対する勝利や征服を意味する。スピード感あふれる行動が良い結果をもたらすであろう。他に賭け事や車関係に関する良い意味も示す。
逆位置
焦り。強引。あらぬ方向へ進む
8
 このカードは伝統的には11番の番号をふられているものだったが、ライダー版では8番に変更されている。これは、黄金の夜明け団の教義から来ているとされる。しかし、実際の黄金の夜明け団の教義では、タロットに配属するヘブライ文字の番号だけを変更したものだったが、ライダー版ではウェイトがタロット自体のナンバリングも変更してしまっている。この方法には賛否両論あるが、AM統合神秘行では、ライダー版はそういうものだと見做して、そのまま使用する。

 森の中で白い衣の女性がライオンの口を閉じようとしている。女性の頭上には、「魔術師」のカードと同様に神秘的な生命のシンボルが見られ、彼女の深い精神性を示している。また、彼女の白い衣は穢れなき純粋さを示している。荒々しい力の象徴であるライオンは、素手の彼女に鎮められ、繋がれた花の鎖で導かれているのだ。これは力に対する知恵の勝利を意味し、彼女が内的世界における勝利者である事を示している。

正位置
このカードが占いで出た時は、様々な力に対しての知恵の勝利を意味する。状況を上手くコントロールする知恵が事態の解決の鍵であるのだ。他には意志の強さ、冷静さなども示す
逆位置
足りない力。他人の力をあてにする
9 隠者
 法衣(ローブ)に身を包んだ老人が、左手に長い杖をつき、高台で右手にランプを掲げている。向こうの景色に見える山々は雪をかぶっており、老人の立つ高台もまた白くなっている。ランプの中には六芒星が光を放っている。彼は「日の老いたるもの」であり、その掲げる「世の光」は「わたしのいる所に、あなたがたもいる」と暗示している。
正位置
このカードが占いで出た時は、知恵あるものの存在や目上の話を聞くなどが物事を良い方向に導くことを意味する。また、静かなところで瞑想するなどして、物事を深く考えるべきである。
逆位置
闇。孤立
10 運命の輪
 このカードは「運命」の輪と呼ばれるが、一般的にこのカードは変えられない「運命」を示すものではなく、どちらかというと「運勢」などの流動的・流転的な未来を示すカードと考えられることが多い。

 カードの中央に位置する「輪」には「ROTA」の文字(ラテン語で”輪”を示す)とIHVHがヘブライ文字で書かれ、その中心には錬金術の記号で自然の四大が描かれている。これらは主(唯一なる神)によって自然界の全てが包み込まれ、輪のように流転するという事を示すのだ。また車輪の左には下降する蛇(テュポン)。車輪の右には上昇に転じるヘルマニュビス(ヘルメスとアヌビスの融合した神)が描かれている。そして、運命の輪の上方には安定した姿でスフィンクスが描かれ、四隅にはエゼキエルの4つの生きものが存在する。

正位置
このカードが占いで出た時は、一般的に幸運な未来になりつつある事を示す。事態は良い方向へと動くだろう。
逆位置
不幸。悪いことが起きそう。
11 正義
 このカードは伝統的には8番の番号をふられているものだったが、ライダー版では11番に変更されている。これは、「力」のカードで述べたのと同理由である。

 右手に上向きの剣、左手に天秤を下げた姿の女性が中央に描かれている。背後には二本の柱が描かれ、その間には幕がかかっている。このカードの構図は「高等女司祭」との類似を見て取る事も出来るであろう。中央の彼女は正義の女神であるともされ、その持つ天秤は公平さを、その剣は天秤を乱した時に与えられる罰を示している。

正位置
このカードが占いで出た時は、正義の裁きがくだることを意味している。裁判や争い事の中にいる場合は、その結果が出るであろう。
逆位置
偏り。不公平
12 吊られた男
 このカードは古くより、その構図に論議が交わされてきたカードであった。絞首刑にされている男を描いているとされているが、そうすると描かれている男の上下が逆になるのだ(絞首刑は普通は首に縄をかけて上から吊るす)。その為、人によっては、タロットを作る時にこのカードを上下逆にして男が一本足で立っている構図にする場合もあった。ライダー版では、伝統的な足に縄をかけて吊られている男の構図にしているが、男の表情を神秘的なものにして秘教的な意味を強くしている。

 タウ十字の形をした絞首刑台に、しかし男が逆向きに吊るされている。絞首刑台の木は生きており、緑の葉が繁っている。彼は殉教者のように見え、恍惚状態の顔の後ろには後光がさしている。これらは試練の後の栄光の復活を意味する。

正位置
このカードが占いで出た時は、今は我慢するときであることを意味している。どんな苦しい状況にあるときでも、じっと耐え自分を磨いておけば、将来は良くなるだろう。
逆位置
我慢できない。将来が見えない
13
 このカードは伝統的には骸骨が大きな鎌を持って、大地から生えてきた人間の首や手足を刈り取っている構図である事が多かった。ライダー版では黙示録の死の騎士を描き、秘教的意味合いを強めている。

 馬にまたがった黙示録の死の騎士が、ゆっくりと進んでいる。彼の前には倒れた王や女性、子供、そして聖職者が手を合わせ、自らの終わりに祈っている。向こうの景色には進んでいる船が見え、その先には二本の柱とその間に不死の太陽が輝いている。このカードは永続する生命の変化を意味する。

正位置
このカードが占いで出た時は、何かの終わりを意味している。それは、物事の収束の事もあれば、より直接的に肉体の終わり=死を意味することもある。しかし、カードの絵柄的には死は全ての終わりを意味しているのではなく、流転する一過程である事を示している。
逆位置
やり直し。復活への変化
14 節制
 翼持つ天使が2つの聖杯を持ち、交互に生命のエッセンスたる水を注ぎ続けている。それは、水が淀んだり腐敗したりする事を防いでいるのだ。天使の額には太陽を示す記号、胸には四角と三角により”七”を意味する記号が飾られている。天使の片足は大地に在り、もう片方の足は海に浸されている。これらは精神と物質の結合と調和を意味しているのだ。
正位置
このカードが占いで出た時は、中庸をわきまえる事が物事を良い方向へ進める事を意味している。他に調和や、健康に良い意味も示す。
逆位置
怠惰。消耗。病気
15 悪魔
 中央の祭壇の上にコウモリのような翼を持つ、メンデスの角ある山羊(一般的に悪魔とされるもの)が立っている。額には逆五芒星が描かれ、その右手は上空に挙げて広げられている。左手には燃える松明が大地へ向けられている。両側には男女が鎖で首を祭壇に繋がれている。これらの構図は5番目の「法王」のカードに似ており、「堕落後のアダムとイブ」も示している。このカードは物質としての生命の束縛を意味している。
正位置
このカードが占いで出た時は、誘惑や欲望に溺れることを意味する。暴力的な事柄や悪事に手を染める事もあるだろう。
逆位置
改善。悪夢からの目覚め。難を逃れる
16
 このカードは伝統的には、旧約聖書に記されているバベルの塔であるとされたり、「神の家」すなわち教会の崩壊を示したりするものであるともされた。ウェイトは「タロット図鍵」で、このカードはより秘教的な意味を示すものであると記している。

 高い山の上に建てられた塔。暗い夜を切り裂くようにジグザグの雷が塔の上部を破壊している。塔の上にいだかれた王冠は飛ばされ、塔では火災が起きている。塔からは、王冠を被った人物と赤い衣をまとった人物が落ちている。

正位置
このカードが占いで出た時は、突然の崩壊・破滅を示す。不幸や思いがけないアクシデントが起きるであろう。
逆位置
再建。危機一髪
17
 裸の女性が右足を水の上に、左のひざを大地の上に置いて、2個の水差しから生命の水を注いでいる。上部には中央に一つの巨大な八芒星、その周りを7つの八芒星が取り巻いている。右側の木には一羽の鳥が止まっている。このカードは永遠の若さと美、そして希望を意味している。
正位置
このカードが占いで出た時は、未来への希望や、希望の成就を意味する。幸運を示すカードの一つである。
逆位置
失望。高すぎる理想
18
 二つの塔の間で月が静かに光を放っている。月は右側の満ちる月である。塔の前では犬と狼が恐怖し、その手前には淵の中から醜悪なものが這い上がってこようとしている。中央の道は、はるか遠くの山まで伸びている。月の顔はそれらを眺め、思考の露を降らす。このカードは静かにするべきことを示している。
正位置
このカードが占いで出た時は、精神的悩みや迷いにとらわれる事を示している。未来が見えないと悩みがちだが、いずれ月は落ちて太陽は昇ってくるだろう。
逆位置
不安や迷いは解ける。現実を知る
19 太陽
 このカードは伝統的には太陽の下に2人の子供がいる構図が多かった。ライダー版では、白い馬に子供が乗っている構図にしている。

 裸の子供が赤い旗を掲げ、白い馬の上に手綱も無しに乗っている。背後には太陽が輝いている。子供はひまわりが咲く塀で囲まれた中から、外へ出て旅立とうとしているのだ。このカードは幸福と旅立ちを意味している。

正位置
このカードが占いで出た時は、幸福や明るい状況を意味する。何らかの誕生や高い可能性。未来への旅立ち等も示すであろう。
逆位置
疲労。病気
20 審判
 このカードは伝統的に、終末論を持つ宗教、特にこのカード的にはキリスト教で言及される「最後の審判」を示すとされることが多かった。「最後の審判」とは、世界の終わりの時に大天使がラッパを吹き鳴らすと、これまでの死者が全て蘇り、神の裁きを受ける事になるのだ。そして悪者は地獄へ、神の教えを守る良い者は神の楽園で永久に幸せに過ごすことになるという伝説である。

 上空で雲の中から天使が、十字の旗をつけたラッパを吹き鳴らしている。地上では手前の左に男性、右に女性、そして真ん中に子供の死者たちが蘇り、天使を仰ぎ見ている。遠くにも同様に死者たちが3人蘇っているのが見えるであろう。全ての人物達は賞賛と歓喜の表情を浮かべている。これは変容の偉大なる作業の達成のカードである。

正位置
このカードが占いで出た時は、何らかの物事の復活や結果を知ることを意味する。また、良い知らせを受け取ることも示す。
逆位置
挫折。悪い結果。再起不能
21 世界
 女性のように見える人物がスカーフを身にまとい、両手に棒を持って中央で踊っている。その周りは月桂樹で作られた輪が囲み、さらにその外側にはエゼキエルの4つの生きものが位置している。このカードは至福のうちの宇宙の完成と終わりを意味している。
正位置
このカードが占いで出た時は、良い形での物事の決着を意味する。また、良い形での完成や達成なども示す。
逆位置
中途半端。未完成。停滞

学徒には、このSTEPの学習を修了する条件として上記の表を読んで、ライダー版の大アルカナの22枚各カードの正位置の意味、逆位置の意味を簡単にでも理解するように指示しておこう。

また、余裕があれば、他にも自分でネットで関連する事柄を検索して読んでみる、あるいは入手しやすいタロットの解説書を購入するなどして、ライダー版タロットの各カードの大アルカナの意味についての理解をより深めておいても良いだろう。


□学徒は上記を理解・記憶すること。

・この段階では少なくとも、大アルカナの各カードを見た時にその正位置・逆位置の基本的な意味を簡単にでも言えるようにしておくこと


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