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万物照応について<IMN魔術基礎知識12>

万物照応について<IMN魔術基礎知識12>

人間の意識内の物事の分類

先の項でも少し述べたが、西洋の神秘伝統では「万物照応」という事柄を重視する。この世界の、様々な物質や事柄には、ある特定の共通するシンボル的要素、パターンというものがある。そのシンボル要素やパターンを学習する事により、人間の意識内での物事の捉えかたが、より深く理解出来るとされるのだ。

これは、その意味的に人によっては様々な分類の方法が考えられるであろう。例えば、それを大きく簡単に四つに分けたのが「四大」の考え方ともいえる。しかし、現在の西洋の神秘伝統の中心的な考え方となっている黄金の夜明け団(GD団)及び、その流れを汲むA・クロウリーの流派の教義では、万物照応を包括する考え方の中心物として「生命の樹」と呼ばれる図形を用いることにした。あらゆる全ての物事のシンボル的要素を、この生命の樹と呼ばれる図形の10のセフィロトと22のパスのいずれかに関連分類することにしたのだ。

この用法をもう少し解りやすく例えると、「整理棚」にも例えることが出来るであろう。10のセフィロトと22のパスのシンボル的要素を基に、全ての物事を、自らの意識内にある、この「整理棚」に分類するのだ。例えば、ケテルを例にあげてみよう。ケテルならば、まず、そのシンボル的要素として「王冠、根源、至高、原初、唯一、高み」などがあげられる。このケテルの意味を基に、様々なものごとから、ケテルのシンボル的要素と関連するものを分類抽出するのだ。

例えば、宝石に関してはその至高さから「ダイヤモンド」、動物に関しては神性の至上の形の象徴として「鷹」などが、その候補としてあがるだろう。こういった形で神秘伝統の学徒は、生命の樹の全てのセフィロトとパスのシンボル的要素を理解し、様々なものごとをその生命の樹に割り当てる学習を行うのだ。

この分類法は後において、学徒が行うことになる様々な実践学習の考え方の源にもなっている。例えば、ある学徒が実践作業において、愛をもたらす護符を作ることにしよう。生命の樹において「愛」は基本的にネツァクというセフィラに割り当てられる。この事からその者は護符を、ネツァクに照応するシンボルを用いて作る事になるのだ。まず、護符には、ネツァクに照応する「金星」のシンボルを描く事だろう。また、照応する天使や知霊のシンボルを描いたり、素材には銅を使うかもしれない。そして、聖別の儀式を行う場合は、祭壇の上には七芒星のシンボルを置き、紫檀の香を焚いて聖別を行うことになるだろう。こういった照応するシンボル群を扱い、学徒は自らの意識内にある、愛を得る能力を増すのだ。

セフィラに割り当てる意味

しかし、この考え方を知ったばかりの学徒の中にはこういった疑問を持つものもいるかもしれない。「セフィラに照応するものを使って実践作業を行うのは解った。しかし、そんなものでセフィラの力というものを本当に扱えるようになるのか?。例えば、ネツァクの力を扱う場合は紫檀の香を使うとなっているが、それで、本当に、そのセフィラに照応する力が使えるのか?。単なる”こじつけ”では無いのか?」。これは、こういった学習を行う場合、当然、起こる考え方であろう。

実際、例えば、先ほど「鷹」はその至上の形の象徴さからケテルに割り当てられると書いた。しかし、別の観点から見れば、鷹はその獰猛さから見ればゲブラーにも割り当てることが出来るのだ。また、鋭い観察眼を意味するものとして、コクマーに割り当てる事も出来るであろう。これらのことから考えても、何らかの物事をいずれかのセフィラに割り当てるという学習は、はっきりいえば本質的には恣意的なこじつけに過ぎないとも、いってしまえるものなのだ。

しかし、学徒はここで最初に述べたことを思い出してみて欲しい。人間の意識というものは、ものごとを何らかのシンボル的要素、ある「局面」的に認識する機能がある。そして、人間の意識は、実はあるシンボル的要素を持つものを扱う場合、人間の意識内にある、他の共通するシンボル的要素を持つ局面を持ったものも連想、活性化させる機能も持っているのだ。すなわち「照応」とは、それ自体はこじつけ的なものでも、人間が意識の中で無意識のうちに行っている、そういった連想の機能を活かした、意識を制御するための考え方であり技法であるといえるのだ。

「秘力」の扱い

この原理を踏まえた上で例えば、学徒が「ケテル」の作業でダイヤを用いたとしよう。ダイヤという物質それ自体は多面的な存在であり、さまざまな象徴性を持ったものである。しかし、学徒はケテルの作業においては、ダイヤのうちに「至高さ」というイメージを見出す。その「至高さ」というイメージから、学徒は自らの意識内にあるケテルの同じ「至高さ」のイメージを活発化させ、そのイメージによる「秘力」を作業に用いるのだ。

これは、実は日本の昔からある呪術にも用いられてきた方法でもある。日本では「言霊」という神秘的考え方が存在する。その中の一つに「呪文として扱う場合、同じ音を持つものは、他の同じ音を持つ物事に影響する」という技法があるのだ。これも、人間の意識が同じ音を持つものが同じ音を持つものと照応し「連想」されるという性質を活用したものであろう。

原理を理解する

学徒はこれらの原理を理解したならば、自らの意識内にある、あらゆる観念、局面を生命の樹に割り当てることが出来るように学習を行っていく事になる。そして、さらにそれらを用い、様々な象徴のさまざまな局面を生命の樹に自らが割り当てる事が出来るように学習するのだ。そのために、このサイトにも資料となる各種照応表を確認できるページを用意してあるので参考にして欲しい。

また、実は、この「照応」による連想という機能の他にも、人間の意識内には様々な「性質」「機能」というものが潜み活動している。これから、自己探求を学ぶものは、そういったもの達の認識と制御をしっかりと行っていってもらうことになるので、学徒はまずはこの時点で、この人間の意識内における「照応」による連想という機能をよく認識制御できるようにしておいて欲しい。


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