スポンサーリンク

「YHVH」について<IMN魔術基礎知識07>

「YHVH」について<IMN魔術基礎知識07>

神聖四文字

この項で学習する「YHVH」とは上記のようにヘブライ文字でヨド(Y又はI)・ヘー(H)・ヴァウ(VまたはW)・ヘー(H)と綴られる言葉(単語)である(ヘブライ語は日本語や英語と違って、右から左へと文字を書いていくので注意されたし)。この言葉は少しでもキリスト教やユダヤ教、あるいは西洋の秘教に興味を持っているものならば聞いたことがあるであろう。基本的には旧約聖書に登場するユダヤ人達の「主」、「唯一神」の名前を指している言葉とされる。この四文字はギリシャに伝わってテトラグラマトン(四つの文字で出来た名前)、神聖四文字とも称された。

YHVHの発祥

この言葉は、西洋ではとても有名なものであるが、その発祥がどういったものなのかは定かでない。一説には、初期の頃にはYHという単純な言葉で、神を指したものだったという。古代オリエントの研究では、名前にそのYHを由来とする古代の王が何人か存在した事が解っている。また、そのYHにVを足したYHVという名前を持った古代の神の絵も見つかっている。

これらの変遷を経てYHVHの言葉は成立したとも考えられるが、更にルネサンスの時代には、クリスチャンカバラの学徒によって、シンのヘブライ文字を加えられたキリスト教的神聖五文字の言葉も創られる事になる。

この言葉は当初は「God Be with you(Good Bye)」と同程度の意味の挨拶の言葉として、ヘブライ人達の間でよく口にされていたとの説もある。しかし、モーセの十戒で「主の名をみだりに唱えてはならない」とされ、世界を創りたもうた「主」の、畏れ多く強大なる四文字の言葉と考えられる事になった。その為、この言葉の正しい発音方法はユダヤ教の司祭のみの秘密の知識とされるようになる。

ここから後世、YHVHを正しく発音したものは偉大なる奇跡すらも可能にするという伝説が生まれることになった。モーセが数々の奇跡を起こしたのも、ソロモンが悪魔たちを従えたのも、数々のユダヤ教の預言者達の奇跡も、この四文字の名前の力に依るものだという。

YHVHの読み方

このYHVHは旧約聖書には数多く記されているが、母音の指定が無いため、旧約聖書を読んだだけではその発音の方法が解らない。また、あまりにも畏れ多い事により、ユダヤ教の司祭達の間でも長い間発音される事が無かったという。結果、この言葉はついには本来の読み方の知識が失われ、誰にも解らなくなってしまった。

ユダヤ教徒の間では通常、聖書に記されている、このYHVHの箇所をADONAI(アドナイ)と読み替えていたことから、近代に至るまでは、このADONAIの母音をYHVHにあてて、YHVHの読み方は「Jehova(イェホヴァ)」だと考えてきた。しかし現在は研究が進み、本来の読み方は「ヤハウェ」あるいは「ヤーウェ」だったとする説が有力視されるようになっている。

「主」の秘儀

このYHVHは、カバラでは神聖なる「主」の秘儀を示すものとされている。カバラに多大な影響を受けた西洋の秘教伝統においても、この四文字はこの世界を構成する様々な秘教的理論を展開する重要な術式とされたのだ。

例えば、この世界の創造を四つの界に分けて論じる四界論ではY(ヨド)が源始のアツィルト界に対応し、最初のH(ヘー)は創造のブリアー界、V(ヴァウ)は形成のイェツィラー界、最後のH(ヘー)が現実のアッシャー界に対応する事になる。

また、YHVHは先に学習した四大の分類にも対応する。Yは火、最初のHは水、Vは風、最後のHは地に対応するのだ。そして、この世界を形成する2つの相反するエネルギーとして、YとVを能動性、2つのHを受動性に対応するものとして捉える考え方もある。

これらの単純な割り当てから更に進んで、YHVHを人間の巡る世代の営みを象徴するものとして捉える考え方もある。その考え方では、まずYは男性、最初のHは女性を意味するものとされる。

この男性と女性は成長し結婚。やがてV=息子と最後のH=娘を作り出しY=父と最初のH=母になる。次にV=息子とH=娘はやがて成長し男性と女性になる。そして結婚。以後、同様の繰り返しを経る事になるのだ。こういった巡る世代の考え方は他にも自然の様々なものに適応される考え方へとも繋がる。

変わった考え方では、文字を縦に並べて人間自身を模す図としての考え方もある。この考え方では、ヨドが頭を、最初のヘーが両腕と肩を、ヴァウが胴体を、最後のヘーが腰と両足を示すものとして捉えられる。下記の図を参照されたし。

以上の様に、西洋秘教伝統ではこの「YHVH」という言葉は、様々な秘教的理論を展開する術式として重要視されている。IMNでも、後にその理論や様々な形で実践へと繋げる方法を学習していくことになるので、学徒も認識しておいてほしい。


次へ
上位ページに戻る
タイトルとURLをコピーしました