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黄金の夜明け団伝統の歴史(GD団の系譜2)

黄金の夜明け団伝統の歴史(GD団の系譜2)

メイザースのその後

Samuel Liddel Mathers(メイザース)

ここでは、メイザース派について記していこう。GD団のロンドンメンバーから、首領の座を追放されたメイザースは大激怒。しかし、当時メイザースはパリに住んでおり、彼の支持者であったベリッジを、ロンドンでの「真の黄金の夜明け」代表として委任。ロンドン・メンバーへの、せめてもの対抗を行う。その後の彼は、支持者とともに、独自に神秘伝統を深く研究していたようである。

また、メイザースを黄金の夜明け団から追放したロンドン・グループの一人であったブロディ・イネスは、その後のフェルキンの率いる暁の星団の惨状をみるにつけ、メイザース追放は過ちだったと考えるようになる。そして遂に、1908年メイザースと和解。エジンバラの自らの団とともに、メイザースの傘下に入る事になる。1913年にはブロディ・イネスはベリッジの団にも参入し、その首領の一人に就任。メイザースを筆頭としたAO団が確立される事となる。ちなみに、メイザースの活動は極度の秘密主義を徹底していたらしく、現在、その団についての活動はあまり資料が残ってないとされている。

その後、1918年メイザースは流行病によって亡くなり、メイザース派のトップは残された未亡人であるモイナに移る事となる。モイナは数々の学徒との衝突を経ながらも、AO団を運営。1927年に亡くなり、AO団も先に記したリガルディーの教義暴露もあり、1940年前後には消滅してしまう。

ダイアン・フォーチュンと内光協会

Dion Fortune(D・フォーチュン)(http://www.innerlight.org.uk/dion/DionFort.htmlより)

AO団には日本でも「神秘のカバラー」の著作などで有名なダイアン・フォーチュンが1919年に参入することとなる。その有能さで、すぐに頭角をあらわした彼女は、やがてGD伝統とは異なる自らの生み出した教義に沿って活動を行うようになる。その為、その頃の団の首領であるモイナから、自らの団体を作るように言われ独立。自らの団体を旗揚げし、その団体はやがて、「内光協会(The Society of Inner Light)」通称IL団と名乗ることとなった。

そして、彼女は神秘伝統の分野でめざましい活躍を遂げることとなる。まず、多くの神秘伝統に関する著作を執筆。その中でも先に挙げた「神秘のカバラー」は特に重要な書として知られる。また、神秘伝統の教義に時代の先端を行く科学の分野であった心理学の解釈を取り込んだり、通信教育制度を導入し広く学徒を募るなどして、これらの先進的試みは一躍、業界からの注目を集める事になった。また、3QTと呼ばれる建物を本拠地に多くの有能な魔術師達も集まり、その実践的な活動でも名を知られた。

内光協会の三羽烏

Walter Ernest Butler(W・E・バトラー)(http://www.servantsofthelight.org/aboutSOL/bio-we-butler.htmlより)

フォーチュンは1946年に亡くなるが、この団体からは、多くの有能な学徒達を輩出する事となる。その中でも、W・E・バトラー、ガレス・ナイト、ウィリアム・G・グレイの3人は、特に注目すべき学徒達であろう。このうち、W・E・バトラーは、元々、東洋の神秘伝統に傾倒。ヨガも本格的に学び、神智学協会にまでも参入していたが、インドの同協会の上部層に、東洋よりも西洋の神秘伝統に向いていると諭され、同協会を離れることとなる。

彼は英国に帰り、一時期は自分の取るべき道に悩むこととなるが、その時に一輪の赤い薔薇を差し出したのが、フォーチュンだという伝説がある。そして、フォーチュンのILに参入した彼は、その優れた才能で、フォーチュンの許可を得てIL内に自分のグループを率いて活発な活動をするまでに至る。しかしフォーチュンの死後、ILの上層部による研究路線の方針転換に従えず退団。1965年、自らで西洋の神秘伝統の通信教育団体を設立。この通信教育コースは後に、「Servants of the Light(光の侍従者達)」団へと発展。この団は、1978年のバトラーの死後もノーウィッキ女史によって引き継がれ、現在、世界中で多くの入団者を有する団体となっている。

次にウィリアム・G・グレイもILに学び、その方針変換により退団。彼は、オカルト・カバラに関する多くの著作を執筆。その中で様々な新しい論説を展開したり、「聖杯血盟」と呼ばれる運動を行って、業界から注目を浴びた。1995年死去。ガレス・ナイトも又、ILに学んだものであるが、やはりフォーチュンの死後の方針転換に従えず退団。バトラーの通信教育を手伝ったり、神秘伝統に関する著作を執筆。その中でも「Practical Guide to Qabalistic Symbolism(カバラ象徴の実践ガイド:未邦訳)」は神秘伝統の学徒にとって「神秘のカバラ」と同様に読んでおくべき推薦書とされている。そして、2013年現在も、彼は様々な神秘伝統の研究書を出版し続けている。


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