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黄金の夜明け<IMN的魔術学習参考邦書解説>

黄金の夜明け<IMN的魔術学習参考邦書解説>


19世紀英国に生まれ、その教義を以って現在の西欧神秘伝統界に大きな影響をもたらしている「黄金の夜明け」団(以下GD団)の歴史と技法を日本で初めて詳しく紹介した本。内容は、第1部が歴史編、第2部が実技編の2つに別れ、歴史編は江口氏が、実技編は亀井氏が担当している。

歴史編は、GD団と、その関わった魔術師や人物について、海外の研究書であるエリック・ハウ氏の「黄金の夜明けの魔術師たち」から、フランシス・キング氏やイセル・コルクーハン氏、イスラエル・リガルディー氏の書籍、あと江口氏自身の個人的情報等を元に詳しく紹介されている。

「魔術結社」の歴史を紹介しているというと、読者はこの本に、高尚な理念の下、様々な秘儀的知識を駆使する魔術師達が暗躍するといった話を想像するかもしれない。しかし、この本に載っているのは、そんな夢を打ち砕いてくれる、人間臭い不和、いがみ合いなどに満ちた歴史である。残念ながら、このGD団の不名誉な伝統は今でも続いているようであり、ネットの広まった現在では、探せば国内、海外を問わず魔術関連のサイトや掲示板などでも、中傷合戦が行われているのを読者も見つけることが出来るであろう。

ただ、こういったレベルの低い争いは魔術系に限らずとも、人間の関わるあらゆるところで起きるものである。実際、どんな高尚な理念を掲げた宗教団体でも、内部はドロドロとしているというのはよく聞く話であるし、霊的界隈に限らずとも、普通の会社や集団でも、こういった話はあるものだ。それらの点を踏まえて、せっかく何かの縁でこちらのページを読んでもらっている読者の方には、人生を渡っていく際に、他者を、特にその人格を感情的に悪しざまに言う人に出会った場合は、よく注意して接する事を、老婆心ながらお伝えしておこう。こういった場合、それを言っている当人自身の心の中にも、その人自身が認識出来ていない同様の人格的一面が潜んでいるのだ。

少し話が脱線しかけたが、元に戻そう。GD団については、この本が出版された83年以降、海外で大きな動きが起きている。人の動きに関しては、日本でもI∴O∴S∴のHPやSACRED WANDのHPで紹介してもらえているので、そちらを読まれてほしい。歴史の研究書については、R・A・ギルバート氏やダーシー・カンツ氏、キケロ夫妻、パット・ザレウスキー氏、ニック・ファーレル氏などにより、様々な書が出版されたため、83年に比べれば、かなり充実してきていると言えよう。英語だが、もし、興味を持たれた方はそちらも読まれると良いであろう。

実技編は、西洋魔術の基本概念・カバラの説明から、生命の樹について、0=0及び5=6儀式の初邦訳、生まれ無き者の儀式紹介、エノク語魔術の紹介など多岐に渡って紹介している。

この書は既に絶版になっているが、黄金の夜明け団に関わる珍しい写真や図版、あと参考書籍表等も載っており資料的価値は高い一冊である。同様にGD団の歴史を扱った書としては、現在は「英国魔術結社の興亡」や「図説 近代魔術」なども出版されているが、もし、古書で安く入手できるようであったら、こちらも是非、読んでおきたい一冊である。

★黄金の夜明け団の歴史について、より詳しい研究をしたい人向け。


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