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西欧神秘伝統の構成要素について

西欧神秘伝統の構成要素について

西欧の精神文化の二大潮流(ヘレニズムとヘブライズム)

学徒にはこれから統合神秘行を学習していってもらう事になるのだが、統合神秘行の知識や理論背景は、西欧の神秘伝統が大きな割合を占める。そして、西欧の神秘伝統、特に当教育コースが対象としている、黄金の夜明け団で大きく発展した霊的学習体系は、西欧の霊的・精神的文化から生まれたものである。日本の霊的・精神的文化の歴史を少しでも学習した事がある方ならば、「神道」と「仏教」が大きな影響をもたらした事は知っているだろう。西欧の霊的・精神的文化でも同様に大きな影響をもたらした2つの要素、文化的潮流がある。それが、「ヘレニズム」と「ヘブライズム」である。


(ギリシャ神話の神々:http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Olympians.jpgより)

人によって、「ヘレニズム」という言葉は文化を指したり、時代を指したりなど用い方が違ったりもするが、ここではヘブライズムと対比される文化として、ヘレニズムの言葉を用いる。ヘレニズムは、その言葉の由来をギリシャ人の祖であるヘレーンに負っているとされる。ヘレニズムは、その由来どおりギリシャ風の文化が元になり、後のアレクサンダー大王の遠征によってオリエントの文化までも取り込み形成された「多神教」に代表される文化的潮流といえるものである。その特色としてギリシャ・ローマ神話に代表されるような自由な気風、人間主義、世界を理論的に捉えようとする考え方などが挙げられるだろう。

「ヘブライズム」は、読んで字の通り、ヘブライ民族に由来を持つ言葉である。その中心的な考え方として聖書を軸にした、「一神教」、唯一なる神=主との契約による信仰が挙げられるだろう。元々はユダヤ教から発生したものだったが、時代とともにキリスト教がその文化的中心となっていく。この文化的潮流は、人間を、そのはじまりの時に罪を犯し、主なる神により楽園を追放されてしまった罪深い存在であると考える。しかし、主の戒律を守り正しく生きれば、死んでも最後には主に選ばれて天国へ行けるとする、戒律主義や唯一神至上主義、終末思想などを持つ。

ヨーロッパの歴史においては紀元後くらいまで、土着の宗教やヘレニズムが大きな影響力を持っていたが、ローマ帝国のキリスト教の国教化により、次第に唯一なる神への信仰であるヘブライズムが文化的中心となっていく。しかし、行きすぎた人間(主に民衆)軽視の信仰に疑問を持った知識人達により、ルネサンス時代からヘレニズムがその影響を大きく盛り返す。そして、ヘレニズムとヘブライズムという大きな2つの河はお互いに排斥しあったり入り混じったりしながら、西欧の霊的・精神的文化を形作ってきたのだ。

ヘレニズムとヘブライズムの軸となる、「ギリシャ・ローマ神話」と「聖書」への理解は統合神秘行を学ぶ上での基盤となる。入会前の案内にも書いていたと思うが、学徒は機を見て、それらの本を各自で学んでほしい。ただ、ギリシャ・ローマ神話と聖書ともに、原典をそのまま読もうとしても、現代の一般的な日本人には難しいものがあるかもしれない。最近はどちらも、良い入門書や解説書が出ているので、そちらから学習を始めるのも一つの良い方法だろう。

西欧神秘伝統の3つの秘儀体系(占星術、錬金術、カバラ)

西欧神秘伝統は、その内に3つの大きな秘儀体系を持っている。それが「占星術」「錬金術」「カバラ」である。この3つについては、この教育コースでも、後々詳しく学習していく事になるので、ここでは簡単な説明を行っておこう。

まず、「占星術」は、その始まりは紀元前2・3千年くらいの古代バビロニアに遡るとされる。天空の星の動きを元に、様々な地上の出来事を前もって知ろうという考えから生まれたものであった。やがて、古代ギリシャに伝わり、個人の生まれた日時の星の位置から作られるホロスコープを元にした占いへと発展していく。西欧の神秘伝統では、この占星術で使われる数々の象徴、記号、考え方などがその学習の基盤となっている。当教育コースでも、仮入会段階の初期から、この占星術の様々な要素を学習していってもらう事になる。


(『賢者の石を求める錬金術師』ライト・オブ・ダービー作(1771年)http://ja.wikipedia.org/wiki/錬金術より)

「錬金術」は、その発祥は様々な伝説があるが、現実的には古代エジプト文明で生まれた金属を加工する治金術から発展してきたものだったとされている。一般的には、鉛などのありふれた金属を、価値の高い金へと変えようという、欲望にまみれた不可能な技術であったとされる。しかし、現代まで伝わる錬金術に関する記録などを見ると、そこには物質的なものにとどまらず、霊的な自己までもを「金」に象徴される状態に高めようとする高貴な霊的作業を目的とした、秘儀体系として書かれている事も多いのだ。当教育コースでは、初期のうちからその考え方を学んでもらうが、特に第二段階で、この錬金術の考え方に基づいた意識の変容・錬成を経てもらうことになる。

「カバラ」は、その発祥は元々はユダヤ教における聖書の神秘的解釈学であったとされる。ユダヤ教徒は、その聖典「旧約聖書」には、主がこの世界の創世に関わる様々な霊的秘密を隠していると考えた。その秘密を解き明かそうと、文字と数の関連性を元にした霊的な実践体系が発展したのが、カバラであったとされる。しかし、ルネサンスの時代の知識人達は、そのカバラの考え方にユダヤ教の枠組みを越えた価値を見いだした。そして、ユダヤ教の信仰を必要としない非ユダヤ教カバラ(クリスチャン・カバラ、ヘルメティック・カバラ、オカルト・カバラ、魔術カバラなどと呼ばれる)へと変化・発展させたのだった。この非ユダヤ教カバラが、現在の西欧神秘伝統の3つの秘儀体系の一つになっている。当教育コースでは、このカバラの、特に「生命の樹」と呼ばれる図形を中心的な軸として、学習を行ってもらうことになる。


学徒は上記を記憶・理解すること。ここでの学習のポイントを
まとめると下記になる。

・西欧の精神文化の二大潮流である「ヘレニズム」と「ヘブライズム」の言葉と簡単な概要を記憶・理解すること。
・西欧神秘伝統の3つの秘儀体系である「占星術」「錬金術」「カバラ」の言葉と簡単な概要を記憶・理解すること。


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